NHKスペシャル「超人たちの人体」 東京五輪注目選手の人体を可視化

[ 2021年7月18日 09:00 ]

NHKスペシャル「超人たちの人体」(上)

「NHKスペシャル 超人たちの人体」で、その強さの秘密が明かされる水泳のケーレブ・ドレセル
Photo By 提供写真

 NHKが誇る大型特集番組「NHKスペシャル」。中でも視聴者人気が高いのは最先端の科学を駆使して人間の肉体の神秘に迫る「人体」シリーズだ。19日放送の「超人たちの人体」(後7・30)では東京五輪・パラリンピックでの活躍が期待される選手たちに密着し、そのパフォーマンスの秘密を分析していく。

 主に取り上げるのは水泳のケーレブ・ドレセル(米国)、パラ陸上のタチアナ・マクファーデン(米国)、マラソンのエリウド・キプチョゲ(ケニア)ら。

 選手たちの分析の要となったのが「シネマティックレンダリング」と呼ばれる技術だ。全身のMRI(磁気共鳴画像装置)画像を合成することで、筋肉から血管の一本に至るまで、人体を視覚的に再現。2017年に女優橋本マナミ(36)の身体を徹底解剖したことでも話題を呼んだ。

 ディレクターの佐藤匠氏は「本来は医療用の技術ですが、橋本さんの時に初めて健常な身体を分析し歴史的な快挙となった。次のステップとして、トップアスリートなら何が見えるのかという興味が今回の企画につながっている」と明かした。

 東京五輪で活躍が期待される水泳のケーレブ・ドレセルは、19年の世界水泳で6冠を達成。無類のスピードを誇っており、そこには意外な部分の筋肉が関係しているという。佐藤氏によると、取材陣が注目したのがラスト15メートルの速さ。「息継ぎせずに泳ぎ切る。その泳法を実現するには呼吸に関わる能力が関係していると考え、そこから仮説と検証を重ねました」と明かす。

 「さまざまな研究で得られたデータを専門家にフィードバックし、検証を進める作業を繰り返すなか、意外な筋肉が関係していることが分かったんです」と含みをもたる佐藤氏。五輪開幕直前に視聴者の興味を引く番組となるだろう。

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2021年7月18日のニュース