藤井2冠 次のターゲットは王将戦、9月から挑決リーグ 待ち受ける盟友・永瀬2冠に羽生九段ら

[ 2020年8月20日 21:42 ]

色紙に「二冠」と記し笑顔の藤井新王位(撮影・岡田 丈靖)
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 木村一基王位(47)に藤井聡太棋聖(18)が挑んだ第61期王位戦7番勝負第4局2日目が20日、福岡市の大濠公園能楽堂で行われ、藤井棋聖が勝利し無傷の4連勝で王位を奪取した。史上最年少2冠となった藤井にとって、次のターゲットはもちろん3冠目だ。最短なら来年1月開幕の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)がその舞台となる。20日は2次予選3組決勝が東京の将棋会館で行われ、永瀬拓矢2冠(27)が初の挑戦者決定リーグ入りを決めた。すでに同リーグでシードされている藤井との3度目の対決が実現する。

 2冠を手にしたばかりの藤井にとって、新たなる戦いは9月から始まる。

 将棋の8タイトル戦で、今期(来年3月まで)に獲得の可能性を残しているのは王将戦だけ。昨期は1、2次予選を勝ち抜き、初の挑決リーグ進出を果たしたばかりか、渡辺明王将(36)への7番勝負出場まであと1勝と迫る4勝2敗の好成績を残し羽生善治九段(49)とともに3位で堂々のリーグ残留。今期はシード棋士として3つ目のタイトルに挑む。

 挑決リーグはシード4人、予選勝ち上がり3人による7人の総当たり戦。昨期、渡辺に惜敗した広瀬をはじめ、豊島竜王に永世七冠資格を持つ羽生と、重厚な面々が名を連ねており「将棋界で最も過酷」と形容される。

 さらに20日には久保利明九段(44)を下した永瀬2冠の出場も決定。自身初の大舞台に「やっぱり目を引くのは藤井さん。藤井さんと公式戦で指すのは一つの目標なので、挑決リーグという大きな場で当たるのはうれしいです」と一気にまくしたてた。

 藤井にとっては3年ほど前から練習将棋の仲間として交流を重ねてきた盟友。6月には棋聖戦と王位戦の、ともに挑戦者決定戦という大一番で永瀬を下している。一矢を報いたい永瀬は「かなり強い方なので、対戦までに地力を高めて内容を濃くしないと勝てないという印象。こちらが力を付けないと厳しい。奇策、秘策は通用しないという印象です」と控えめながら決意を示した。

 リーグの残り2枠は25日に出そろう。藤井にこの日敗れ去った木村もあと1勝の位置にいるだけに興味は尽きない。記念の70期目を迎える伝統の王将戦は群雄割拠。例年以上の盛り上がりとなりそうだ。

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