渡辺明王将「年頭から勝負」 トップ棋士12人に聞く新年の抱負

[ 2020年1月10日 22:41 ]

渡辺明王将
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 将棋タイトル戦の新年の門出となる第69期大阪王将杯王将戦7番勝負(スポニチ主催)は、12日に静岡・掛川市で開幕する。熱戦の行方はもちろん、若手からベテランの活躍で目が離せない将棋界だが、そんな棋界をけん引するタイトルホルダーと順位戦A級在籍者の全12人に2020年の抱負を聞いた。

 まずは、王将戦開幕を控え臨戦態勢の渡辺明王将(35=棋王、棋聖)。2月からは棋王戦との“ダブル防衛戦”が待ち構えている。「年頭から勝負の数カ月が続く。まずは3月末まで何とか乗り切りたい」と目前の大勝負に照準を合わせた。さらに、19年度の勝率0.833(1月10日現在)と高勝率をたたき出しランキング1位を堅守している。中原誠十六世名人が1967年度に挙げた史上最高勝率の0.855にどこまで迫るかにも注目を集めている。

 昨年11月19日、王将戦挑戦者決定リーグ最終局で藤井聡太七段(17)を劇的に下し、初挑戦を決めた広瀬章人八段(32)もエンジン全開だ。昨年、竜王位を失冠。再び玉座を狙う位置についた広瀬は、「今は王将戦のことが(頭の中の)メイン。さらに、年間を通して何か一つでも実績を挙げたい」と集中力を高めていた。

 3人目は、棋界最高峰の2タイトルを保持する豊島将之竜王・名人(29)。昨年は4つのタイトル戦をこなし、八面六臂(ぴ)の活躍でファンを楽しませた。4月には節目の30歳を迎える。「各棋戦で活躍して対局をたくさんしたい。防衛戦が2つあるので、防衛できるようにしたい」と充実の表情を浮かべた。

 4人目は、永瀬拓矢二冠(27=叡王、王座)。昨年5月に悲願の初タイトルとなる叡王位を獲得すると、わずか5カ月後の10月には王座を奪取し2冠。大躍進の1年となった。棋界屈指の勝負強さを見せる永瀬の新年を占う初詣でのおみくじの中身が気になったが、「ぼくはおみくじをしないタイプなんです」とニヤリ。自身の着実な歩みで更なる飛躍を誓った。

 個性派ぞろいの棋士を取りまとめるのは、日本将棋連盟会長・佐藤康光九段(50)だ。東京・千駄ケ谷の将棋会館から徒歩5分のエリアには、東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場が完成。世界中の注目が集まる“パワースポット”が本拠地だ。「日本中がいつも以上に盛り上がる年になると思う。良い形で将棋を世界にアピールできる機会も模索したい」と、熱狂の相乗効果にも期待を寄せていた。

 6人目は、“貴族”の愛称で親しまれる佐藤天彦九段(31)。昨年は3期守った名人位を失冠したが、年を新たに表情は明るい。「初詣で引いたおみくじは小吉でした(笑い)。マイペースに穏やかに、“自分”を持ってやっていく。存在感を示していければ」と笑顔を見せた。

 7人目は、関西屈指の人気棋士・稲葉陽八段。17年の名人挑戦以来、大舞台が遠い。3年ぶりのタイトル戦登場、さらに初戴冠を目指す31歳は、「この2年くらい成績が悪かったが、3年調子が悪いと『それが実力』と言われてしまう。勝負の年なので気を引き締めてやっていきたい」と自らを鼓舞した。

 8人目は、棋界を代表するエンターテイナーであり、早見え早指しの雄・糸谷哲郎八段(31)。再びタイトル奪取を望むファンの声も多いが、「あまりに調子が悪い状態で、タイトル挑戦が目標というのもおこがましい(笑い)」と笑う。「ずっと勝率5割台が続いているので、7割台を目指して戦いたい」と堅実路線を強調した。

 昨年、涙の初タイトル獲得となった木村一基王位(46)は、「良いことがあれば、悪いこともきっと起こるので」と相好を崩さない。「今まで以上に頑張っていくしかないが、簡単なことではないし気持ちが切れてしまうこともあると思う。久しく指し分け(の成績)なので、7割くらいの勝率を目指したい」と冷静に新年を見据えた。

 10人目は、A級18期の三浦弘行九段(45)。棋界指折りの勉強家としても知られているが、「今年も将棋漬けの1年になると思う。良い1年になれば」と誰よりも強い“将棋愛”を誓った。

 11人目は、振り飛車党の第一人者・久保利明九段(44)。3期防衛した王将位を渡辺に0勝4敗で譲ってから1年。「気持ちを新たに良い対局、良い棋譜を残したい」と引き締まった表情を見せた。

 最後は“将棋界の顔”羽生善治九段(49)。前人未到のタイトル獲得通算100期達成に大きな期待が寄せられている。「新たな気持ちで前に向かっていければ。自分なりに、持っているものを出し切る一年にしたい」と、晴れやかな笑顔をのぞかせた。

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