赤星憲広氏　青柳は考えすぎが逆効果になっている　ファームで頭の中を一度リセットして戻ってきて

セ・リーグ   阪神7―10広島 （ 2023年5月19日    甲子園 ）

＜神・広＞5回7失点と精彩を欠いた青柳（撮影・北條　貴史）
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　【赤星憲広　視点】阪神・青柳は並々ならぬ思いで今回のマウンドに上がったと思う。よく投球のことを考えるし、チームのことも背負う選手だけど、今はちょっと「考えすぎ」が逆効果になっている。本来はストライクボールは力強いし、そこからボールゾーンへの変化球が武器だが、初回は明らかに置きにいっているように見えた。慎重になって大事にいきすぎたのか。力が入りすぎてうまくボールに伝わっていなかったのか。

　広島打線が左打者ばかりを並べて初回に5得点したのは大成功に見えるが、青柳からすればDeNAが宮崎を外したり、ヤクルトも山田をベンチスタートさせたり、よくあることで、特別気にしていなかったと思う。投球フォームや配球に何か大きな欠陥があるわけではなく、青柳自身の気持ちの問題だろう。実際に2回以降は真っすぐも力強かったし、リズムも出てきていた。きっかけ一つだろう。

　いま村上や大竹が無双状態で、伊藤将も好調、西勇も調子を戻していて、先発投手陣が苦しいわけではない。打線も中軸3人が本塁打をそろい踏みするなど点を取れている。貯金も9ある。青柳は登録を外れる見込みとのことで、いいタイミングかもしれない。ファームで頭の中を一度リセットすればいい。万全で戻ってきたときに中継ぎ投手や野手に恩返しすればいい。長いペナントレース、青柳の力は不可欠だ。（本紙評論家）