今後の日本球界を背負っていく可能性を秘めた花巻東・佐々木麟太郎を肌で感じた初取材

[ 2023年5月9日 08:00 ]

<花巻東・花巻農>4回、右犠飛を放つ花巻東の佐々木(撮影・村井 樹)
Photo By スポニチ

 WBCでも二刀流の大活躍で14年ぶりの世界一奪還に大貢献した大谷翔平(エンゼルス)や、今季メジャーで開幕から無傷の5連勝と好スタートを切った菊池雄星(ブルージェイズ)を輩出した花巻東(岩手)。今チームにも今後の日本球界を背負っていく可能性を十分に秘めた選手がいる。今秋ドラフト1位候補の佐々木麟太郎内野手(3年)だ。

 1メートル84、115キロと恵まれた体を持ち、3日時点での高校通算本塁打は、早実OBで高校最多とされる清宮幸太郎(日本ハム)の111本を上回る126本。同日に行われた今季初の公式戦では待望の一発とはならなかったが、フェンスギリギリの大飛球を打ち上げるなど、潜在能力の高さを見せた。

 記者にとって佐々木の取材はこの日が初めて。下級生の頃から騒がれていた注目選手はどんなことを話し、どんな雰囲気を漂わせているのか楽しみだったが、その素顔は優しい好青年だった。

 地区予選にも関わらず詰めかけた多くのテレビ局からのインタビューを終えると、新聞の囲み取材は球場から徒歩5分ほどの花巻東の練習グラウンドで行うことに。

 歩いて移動する間も多くの地元の子供やら大人が佐々木に声をかけていたが、最後まで笑顔で手を振り続ける姿が印象的だった。写真をお願いされれば一緒になって写り、握手にも気兼ねなく対応。その後の取材にも一つ一つの質問に丁寧に答え、打撃時の体の使い方や今季の目標など、時間にして10分以上も話してくれていた。

 父でもある佐々木洋監督の、野球だけではなく人間教育にも力を入れている指導法がしっかりと伝わっているのと同時に、佐々木自身が誰からも愛される性格だと言うこともよく分かった。今後、野球人としてさらに注目されるようになるであろう佐々木。どんなステージに進んでも地元から愛されていることは忘れず、今と同じように野球に打ち込んでほしい。(記者コラム・村井 樹)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月9日のニュース