福島敦彦氏 明暗分けた7回の攻防 大阪桐蔭・西谷監督の勝負勘がさえた

[ 2023年3月29日 07:00 ]

第95回選抜高校野球大会3回戦   大阪桐蔭1―0能代松陽 ( 2023年3月28日    甲子園 )

<大阪桐蔭・能代松陽>7回1死三塁、先制のスクイズを決める大阪桐蔭・村本(撮影・岸 良祐)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】0―0で迎えた終盤は、時に、指揮官の思い切った采配が必要になる。能代松陽は7回無死一、二塁で5番打者に送りバントさせることなく強攻策を選択。結果は空振り三振で後続も倒れた。対して、大阪桐蔭は直後の7回1死三塁、1ボール2ストライクからスクイズを敢行し決勝点を奪った。相手バッテリーはまだボールを投げられるカウントで、外されるリスクもある中での決断。対照的な攻めで明暗が分かれたが甲子園での勝ち方を知る西谷浩一監督の勝負勘が相手を上回った。

 村本君も、難しい内角高めの真っすぐだったが、よく決めた。勝負どころで難しいミッションを遂行できるのが“強いチーム”。強力打線で優勝した昨年のチームと比較すれば圧倒的な力はないが、初戦の敦賀気比戦同様、接戦をものにする勝負強さが今年のチームの特長だろう。

 先発した南恒君は制球力が良く、左右関係なく内角をうまく使っていた。ここからは球数制限との戦いも始まるだけに、前田君以外の投手の存在は大きなアドバンテージになる。 (報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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2023年3月29日のニュース