【スポニチ本紙評論家パ・リーグ順位予想】オリックス&ソフトバンク絶対的2強 日本ハムは18人が最下位

[ 2023年3月29日 05:30 ]

パ・順位予想
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 30日、新球場のエスコンフィールド北海道で行われる日本ハム―楽天で、23年のプロ野球が開幕する。スポニチ評論家陣24人による順位予想の後編は、パ・リーグ編。予想では昨年ゲーム差なしでリーグ優勝を果たしたオリックスと、涙をのんだソフトバンクの一騎打ちの様相となった。昨年まで西武の監督を務めた辻発彦氏(64)は、補強に成功したソフトバンク優勢と分析した。

 【辻発彦氏 補強に成功したソフトバンク優勢】オリックスの開幕投手を務めるかもしれない山下。真っすぐもカーブもフォークもいい。「どれだけピッチャーがいるんだ」と思わせる。山本、宮城、山岡の先発はいいし、宇田川や中継ぎ陣も充実。間違いなくオリックスは優勝候補だが、戦力的にはソフトバンクが優勝と予想する。

 守護神としてオスナを補強し、8回にはモイネロがいる。7回も又吉らに任せられ、7~9回の救援陣へつなぐ戦い方がはっきりしている。先発では藤井も良さそうだし、大関らが頑張れば、メッツに移籍した千賀の穴は埋められる。それに打線は近藤がFAで加入したのが大きいし、昨年は故障で出られなかった栗原も帰ってきた。森が加わったものの吉田(レッドソックス)が抜けたことを考えれば、打線はオリックスを上回るだろう。唯一の不安は故障だが、それをカバーできる選手層の厚さもある。

 3位以下は正直分からない。ただ西武の投手陣は安定している。高橋がいてエンスもいるし、先発に回った平良もばっちり抑えるだろう。ただ外野がまだきっちり決まっていないし、WBCで右手小指を骨折した源田が万全じゃないのはマイナスになる。楽天は左打者が多いところに、中日から阿部が加わったのは大きい。浅村がキャプテンになり期待しているが、昨年も開幕から独走したのに戦い方が安定しなかったのは気になるところだ。

 ロッテは個人的には昨年、西武で11勝14敗と負け越したし「強い」という印象がある。ただ、佐々木朗は成績を残すだろうが、帰ってきた種市も1年目で負担はかけられないし、野手も高部が万全じゃなかったり、苦しいところはある。

 最下位としたが「ひょっとして」と思っているのが日本ハム。加藤貴、上沢、ポンセ、伊藤の投手力は安定しているし、ドラフト2位の金村(富士大)、若い左の根本も面白い。これからという若い選手が多いし、野村や清宮が安定して打ち出せば、面白い存在になるかもしれないと思っている。

 ≪平均値「1.33点」18人が日本ハム最下位≫スポニチ評論家24人によるパ・リーグの順位予想で「平均値」を算出。1位=6点、2位=5点、3位=4点、4位=3点、5位=2点、6位=1点で計算すると「2強」の構図が浮き彫りに。トップはソフトバンクの5.58点。これに迫るのがリーグ2連覇中のオリックスで5.33点だった。1位予想もソフトバンクが15人でオリックスが9人。他球団の1位予想はなかった。日本ハムは18人が最下位と予想。平均値は1.33点だった。

 【張本勲氏 ソフトバンクに近藤加入で戦力はパ屈指】ソフトバンクは千賀が抜けたのは大きいが積極的な補強でカバー。特にWBCでも活躍した近藤の存在は頼りになる。戦力の充実ぶりはリーグ屈指で、他の5球団はどこまで対抗できるか。オリックスも投手力があり中嶋監督の采配にも磨きがかかるが、吉田の穴を埋めるのは一筋縄ではいかない。西武は松井監督の采配に期待。山川の調子次第でさらに上位が狙える。新庄監督2年目の日本ハムは近藤が抜け、今季も戦力的に厳しい。

 【田淵幸一氏、ソフトバンクは近藤×ギータら強力打線】ソフトバンクとオリックスは昨季0ゲーム差と互角。ソフトバンクは千賀、オリックスは吉田が抜けた。山本、宮城らがいるオリックスが投手力は上とみるが、近藤を補強して柳田、栗原らと強力打線を組むソフトバンクがトータルでは上。西武は松井監督の掲げるスピード野球が楽しみ。先発転向の平良も白星を稼ぐはず。ロッテは佐々木朗に15~18勝してほしい。打線がどこまで援護できるか。新球場で迎える日本ハムは戦力的に厳しい。

 【有藤通世氏、ソフトバンクは投打バランス、総合力上】上位3球団の優勝争い。ソフトバンクは近藤、有原、オスナらを補強し充実の陣容。ただ、投手力はオリックス、西武の方が上。投打のバランス、総合力でソフトバンクVと占った。西武は森の抜けた穴を攻守で誰が埋めるか。ロッテはスタートダッシュを決めて勢いに乗りたい。佐々木朗が7、8個、小島が5、6個の貯金をつくれば上位が見える。吉井監督も投手のやりくりは非常に巧み。得点力に難のある打線がどこまでカバーできるか。

 【東尾修氏、オリックスの宇田川&山崎颯“パ随一”】オリックスは先発陣に山下が加入すれば、投手陣がさらに充実する。宇田川、山崎颯ら救援陣もリーグ随一。3連覇は可能と見る。西武は森が抜けて捕手に不安があるが、主軸が抜けても若手の台頭でAクラスを確保してきた歴史がある。ソフトバンクは近藤が加入したが、柳田は故障がち。補強がプラスになる保証はない。ロッテは佐々木朗がローテを守りいくつ貯金を稼げるか。楽天は投手陣の世代交代が遅れ、日本ハムは選手層が薄い。

 【中畑清氏 オリックスはパワーピッチャーぞろい】3連覇を狙うオリックスが本命だろう。山本、宮城と左右のエースを擁する投手陣は強力だ。先発だけじゃなく、中継ぎ陣も宇田川、山崎颯らパワーピッチャーがそろっている。打線は吉田が抜けた穴はFAで獲得した森や杉本、宗、中川圭らの底上げで埋められる。対抗はソフトバンクだ。千賀が抜けた投手陣は有原、ガンケル、オスナを獲得した。打線は近藤のFA加入や、故障が癒えた栗原の復帰でつながりが期待できる。

 【森繁和氏、オリックスは舜平大の台頭で投手充実】力の差がない2強による優勝争いとみる。オリックスは山本、宮城、田嶋らに加えて山下も台頭と投手陣が充実。吉田の穴は森がある程度カバーするだろう。ソフトバンクも千賀が抜けたものの若い投手が育っている。近藤も加入し選手層の厚さはリーグNo・1。ロッテは佐々木朗のフル回転に期待したい。中6日の登板でいいので1年間ローテーションを守って15勝前後。西武も松井監督の采配が楽しみ。着実にチーム力を蓄えてほしい。

 【牛島和彦氏 ソフトバンクは千賀の穴は若手が埋める】ソフトバンクは千賀が抜けたが、大関ら若手投手の成長で十分にカバーできる。WBCでもしぶとい打撃を見せた近藤の存在は非常に大きい。対抗はオリックス。山本、宮城ら擁する投手陣の安定感は抜群で、吉田の穴を森が打撃面でどこまで埋められるかが鍵。ロッテは佐々木朗の勝ち星次第で順位が変わってくる。日本ハムは今季も戦力的に厳しい。近藤が抜け、清宮、万波らも着実に成長してはいるが、他球団と比べると戦力不足だ。

 【伊東勤氏 オリックスは1点守り切る野球が強み】オリックスは1点を取る緻密な野球ができるようになってきた。リーグ一の投手陣を中心に、1点を守り切る野球がストロングポイント。ソフトバンクは新加入の近藤をどう使うか。WBCのように2番なのか、3番か、それとも5番か。ロッテは佐々木朗が軸。吉井監督の投手陣のやりくりでAクラスも狙える。楽天は戦力の上がり目があまりない。西武は勝負どころで引っ張るリーダーが不在。近藤移籍の日本ハムは戦力が足りていない。

 【槙原寛己氏 ソフトバンクは有原不安も層厚い投手陣】ソフトバンクが戦力補強もあって本命とみる。東浜、石川、大関、藤井らの先発陣にモイネロ、オスナの救援陣。有原は厳しそうだが投手陣は層が厚くなった。オリックスの投手陣は山本、山岡ら先発陣に宇田川、山崎颯のWBC救援コンビもいい。打線は吉田の穴が簡単には埋まらない。佐々木朗が通年軸になれればロッテが3位。楽天は田中将らベテラン投手陣が苦しい。西武は捕手が課題。日本ハムは近藤が抜け戦力不足は否めない。

 【中村武志氏 ソフトバンクは大型補強で独走あり得る】ソフトバンクとオリックスの2強ムードが漂うものの、今季はソフトバンクの独走もあり得る。WBCでもつなぎ役になった近藤や、新守護神のオスナらの大型補強はそれほど大きい。オリックスはパで最も投手力があるチームだが、打線は吉田の抜けた穴が大きすぎる。森は打力があっても、正捕手としては1年目。投手陣をどこまでリードできるか不安がある。同一リーグの移籍でも、個々の投手を把握するためには時間がかかるものだ。

 【鈴木啓示氏 オリックスは先発、中継ぎともに充実】ソフトバンクは去年、最後に競り負けた悔しさをバネにして、今年こそとなるべき立場だが、千賀を出したりして投手陣が安定していない。ローテーションが決まらないと苦しい、ということでソフトバンクを2位にした。打線では柳田がシーズンを通して、どこまで働けるか。WBCでも活躍した近藤の加入が柳田の刺激になるかどうか。吉田が抜けたオリックスだが、投手陣は山本ら先発、リリーフともに充実しているのが強みだ。

 【大野豊氏 オリックスは由伸、宮城ら侍勢不安も総合力は上】オリックスとソフトバンクの優勝争いだと予想する。オリックスは吉田の穴をどう埋めるか。WBCでも山本、宮城と投手を4人も出している。あれだけの戦いを経た後だけに開幕からの仕上がりに多少の心配はある。でも総合力ではオリックスがちょっと上。ソフトバンクは千賀が抜けて、先発陣が弱くなる。打線も一時期の勢いをどう修正できるかがポイント。個別の選手では先発に回る西武・平良がどんな結果を出すかに注目だ。

 【広澤克実氏 野手はWBC影響少なめ、ソフトバンクはバーンアウトの可能性は低い】開幕ダッシュという意味で、今回のWBCが持つ意味は大きい。調整が本当に難しい。バーンアウト、燃え尽き症候群になる選手が必ず出てくる。集中力が全然高まらないという現象に苦しむと、いずれも各球団の主力選手だから大変。投手中心だったオリックスに比べて、野手が出場していたソフトバンクはバーンアウトの可能性は低い。そこでソフトバンクにした。オリックスのポイントは新加入の森が投手陣をどうリードするかだ。

 【野村謙二郎氏 ソフトバンクは近藤の加入が大きすぎる】WBCで見ていて凄いと思ったのは近藤のプレーだった。故障で出られなかった鈴木誠也のユニホームをベンチに飾ってくれていたけど、出場していても試合に出られたのかなと思ったくらい。ソフトバンクに入って、相当な効果が出ると思う。千賀がメジャーに行ったマイナスはあるけど、近藤の加入はめちゃくちゃ大きいと感じている。オリックスとの2強でどっちがどうなるかだけど、ソフトバンク優勝という予想にした。

 【佐々岡真司氏 もソフトバンクは栗原の復活でオリ上回る】昨年は交流戦でパ・リーグの力に圧倒され、広島はオリックスにもソフトバンクにもひとつも勝てなかった。層の厚いソフトバンクで栗原の復活というのは大きいと思う。オリックスの武器は投手力。先発もいるし、後ろにもパワー投手が控えている。杉本が調子を上げれば得点力がアップする。吉田の穴という意味で森がどこまでやるか。2強だけど層の厚さでソフトバンクにした。広島時代に指導した藤井には先発で結果を出してほしい。

 【矢野燿大氏 ソフトバンクはチーム力増し長期戦有利】昨年まで交流戦で対戦してオリックスの投手陣は強烈だった。今年は山下が出てくるはずで、より凄くなる。でもトータルの層の厚さだとソフトバンク。先発がいないと言っても、選手は豊富。抑えでオスナを獲って、栗原が復帰し、近藤も加わった。1年間戦う上では、ソフトバンクが上だとみる。投手では群を抜いてオリックスがいいんで、この2つの争い。注目したい選手はロッテ松川。3年後のWBCを目指して成長に期待したい。

 【亀山つとむ氏 オリックス機動力生かした戦術注目】野球の基準は投手。となるとオリックス。吉田の穴は大きいけど、それを補うだけの投手力はある。吉田が抜けて、足の速い選手をどう絡めて戦うかに注目している。ソフトバンクも強いけど、昨年最後に取りこぼしたイメージがどうしても残る。勝ち方を覚えたチームで投手陣がいいのでオリックスを優勝と予想した。阪神から移籍した西武・陽川、日本ハム・江越には頑張ってほしい。下馬評の低い日本ハムも新球場を盛り上げてほしい。

 【赤星憲広氏 ソフトバンク開幕投手の大関急成長も】オリックスは吉田の代わりに補強した森がポイント。DHとの併用だろうけど、マスクをかぶる機会は増える。どんなリードを見せるのか。いい投手がそろっているから、西武時代よりは楽かもしれないけど。投手では3年目の山下がどれだけブレークするか。ソフトバンクは核になる投手はいないけど、開幕投手の大関とかが急成長する可能性はある。それだけチームの潜在能力は高い。ソフトバンクとオリックスの争いだと予想する。

 【関本賢太郎氏 オリックスは正尚抜けても雰囲気維持】オリックスは吉田が抜けた影響がどうなるかが懸念材料だ。吉田が残した数字のある部分は森でカバーすることはできても、精神的な部分は補えないもの。しかし、雰囲気はこれまでと変わっていないと聞いた。大きなマイナスになっていないというので、突出した2強の争いでの3連覇を期待している。展開的には西武がキャンプインを遅らせたことがどう表れるのか、そして現役ドラフトから成功例となる選手が出るのを期待している。

 【能見篤史氏 オリックスはデータ&総力戦意識徹底】オリックスに2年間いたが、優勝するチームだとは正直思わなかった。明るくプレッシャーを感じない雰囲気の中、中嶋監督がしっかりデータを取って、基本的に全員で回すということを徹底している。今季も吉田が抜けた分も自分らでやらないと、という意識はある。ソフトバンクも強いが、投手が急に崩れることが多い。層は厚いけど、全然勝てない感じではない。投手力を武器に、他球団が脱落する流れをつくれば3連覇の可能性はある。

 【若菜嘉晴氏 ソフトバンクはモイネロ&オスナで盤石】ほぼ、2強の争い。ソフトバンクは新戦力の近藤が、チームをどれだけ引っ張るか。左打者中心の打線だけに、正木のような右打者がレギュラーをつかむとバランスはよくなる。千賀が抜けた先発に柱がいないのは気がかりだが、後ろには「世界一」と言えるモイネロ、オスナが控え盤石だ。対抗してくるのはオリックス。吉田の抜けた穴は大きいが、先発、リリーフもしっかりしている。3位を西武、ロッテあたりが争う形か。

 【杉本正氏 ソフトバンクは近藤&新助っ人が起爆剤】ソフトバンクは日本ハムからFAで近藤が加わり、つながる打線になった。オープン戦は結果の出なかった新外国人のホーキンスだが軸がぶれないので、30本塁打に期待したい。オスナが入り、8回のモイネロとのコンビは強力。完投する投手が出てくれば、彼らへの負担も減ってなおいいだろう。西武は松井監督が就任。どういう采配をするかに注目している。また、目立った補強のなかったロッテは少し厳しい戦いを強いられそうだ。

 【岸川勝也氏 ソフトバンクは昨季あと1勝V逸で成長】ソフトバンクは栗原の復活が大きい。左脚のケガで昨季を棒に振ったが、リハビリで鍛えて軸足の力がついた。打率3割は楽に打てるし、30本塁打近くいくのではないか。昨年あと1勝できなかったことで優勝を逃した経験は若手を精神的に強くしたと思う。34歳の柳田をうまくやりくりして使って、ケガをさせないことも重要だ。西武は森が抜けた穴が大きい。吉井新監督がどういう野球をするかという点で、ロッテにも注目したい。

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