【スポニチ評論家座談会~大阪パ編(1)】オリ3連覇かソフトBのV奪還か 吉田正と千賀の穴どう埋める

[ 2023年3月29日 07:30 ]

スポニチ評論家陣のパ・リーグ順位予想
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 オリックスの3連覇か、それとも昨季は優勝マジック「1」からV逸したソフトバンクが意地を見せるか。優勝予想が2強で分かれたパ・リーグの展望に、スポニチ評論家陣による座談会も盛り上がった。今季から新たに加わった能見篤史氏が選手目線で見てきたオリックスの強さの秘密を披露。ともにメジャーに移籍した吉田正尚(レッドソックス)の抜けた穴と千賀滉大(メッツ)の抜けた穴。どちらが大きいか議論は白熱した。(構成・鈴木 光)

 【スポニチ本紙評論家順位予想座談会(1)】

 ――パ・リーグの優勝予想は3連覇がかかるオリックスとソフトバンクに分かれました。まず、オリックスをよく知る能見さんに2チームの分析をお願いします。

 能見篤史 移籍した当初はオリックスが優勝するチームだとは全く思わなかったです。中嶋監督がしっかりデータを取って、各選手の好不調を見極めてうまく起用されています。戦力的に選手の層は薄いですけど、うまく戦っています。ソフトバンクも強いのは強いですけど、投手が急に崩れることが多い。選手の層は厚いですけど、全然勝てないと思うことはないという感じでした。

 関本賢太郎 吉田という存在は野手の中で精神的支柱だったんですか。

 能見 吉田に代わる選手はいないというのは事実です。でもオリックスというのは不思議なチーム。和気あいあいという雰囲気で戦っています。チームを盛りあげるのは水本ヘッドコーチ(元広島)の役目でしたね。

 大野豊、野村謙二郎、佐々岡真司 (笑い)。

 能見 本当に明るいチームで、優勝争いをしていても誰もプレッシャーを感じていなかったのは確かです。負けたら終わりという時でもガチガチにはなっていなかったですね。これまで吉田に頼っていた部分がありすぎましたけど、今季からは、もう少し自分らでやらないと、という流れにはなると思います。

 ――3連覇のポイントはどこに。
 能見 投手力でしょうね。打線はセ・リーグのように、あっさりとはしていません。打者は打てないときも相手投手に球数を投げさそうとします。その中で他球団が脱落するのを待つ流れをつくれればと思います。

 鈴木啓示 昨年、最後に競り負けた悔しさをバネにして、今年こそとなるのがソフトバンクの立場なんだが、千賀のメジャー移籍もあり投手陣が安定していない。ローテーションが決まらないと苦しい。ということでソフトバンクを2位にした。打線では柳田がシーズンを通して、どこまで働けるかだと思う。

 大野 オリックスとソフトバンクの優勝争いという流れになるでしょうね。オリックスは吉田の穴をどう埋めるか。そして今回のWBCでは山本、宮城、宇田川、山崎颯の4人が出場。あれだけ厳しい戦いを経て、しっかり(戦列に)戻って来られるか。多少の心配はあります。でも総合力ではオリックスがちょっと上。ソフトバンクは千賀が抜けて、先発陣が弱くなる。打線も一時期の勢いがなくなっている感じがあります。

 野村 メジャー移籍した選手もいるけど、ソフトバンクに関しては近藤(前日本ハム)が入ったのはめちゃくちゃ大きいです。2強でどっちがどうなるかですけど、僕はソフトバンクにしました。

 広澤克実 WBCで調整が難しくなった。あれだけの試合をしたので燃え尽き症候群(バーンアウト)になって集中力が高まらないという選手が必ず出てくる。オリックス、ソフトバンクとも4選手が出場したが、バーンアウトの可能性が低いのは出場選手が野手主体だったソフトバンクだと見ている。

 矢野燿大 昨年、交流戦でも対戦してオリックスの投手陣は強烈でした。今年は山下が出てくるはずです。より凄くなる。でもトータルの層の厚さだとソフトバンク。先発がいないと言っても、選手は豊富です。抑えでオスナを獲得し、栗原が復帰して、近藤も加わった。2軍もちょっと層が違う。1年間戦う上では、ソフトバンクが上なのかなと見ています。=(2)に続く=

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