落合博満氏 開幕戦の記憶は腰痛なのに山田久志から一発「三味弾いたって言われたもん」

[ 2023年3月29日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が29日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。現役時代の開幕戦の思い出を語った。

 ロッテ入団2年目まで開幕は2軍で迎えた。落合氏は「覚えてない。ファームにいたと思う。2年目も覚えてない」と記憶がなかった。

 開幕スタメンを掴んだ3年目はというと「(記憶に)残ってないんだよ」という。現役20年間の開幕戦はほとんど覚えていないという落合氏は「だって2000試合以上(2236試合)出てんだよ」と笑った。

 だが、開幕日の朝食は覚えている。

 「朝は(鯛の)おかしらつきで。女房(信子夫人)が必ず用意してたから。ほんで、三冠王獲るようにメザシ3匹だとかね。『三冠を目指せ』とかっていう意味でね」

 開幕戦の記憶は薄いが、1986年4月6日の阪急(現オリックス)戦だけは鮮明に覚えていた。

 開幕1、2戦が雨で中止になり、迎えた3戦目。大エースの山田久志からホームランとフェンス直撃の適時二塁打を放った。

 記憶に残っているのは活躍が理由ではなかった。

 開幕前に大阪で行う予定だった近鉄とのオープン戦が雪で中止になった。そのまま大阪に残るか、強行して東京に戻るかの選択を迫られ、夕方の新幹線に飛び乗った。

 ところが雪でダイヤが大幅に乱れた。「乗ったのはいいんだけども、そっから延々12時間くらい。動かないんだもん」。東京駅に着いたは明け方の3時、4時だった。

 信子夫人には「次の日帰ってくりゃいいのに」と言われた。その想定外の長時間移動で腰に相当の負担がかかっていた。

 帰京後、西武球場(現ベルーナドーム)のオープン戦に出場すると腰痛が悪化した。「身動き取れなくて練習も休んで。で、開幕。絶対間に合わないっていうような感じだったの」。1、2戦が雨で中止になったが、3戦目はなんとか強行出場した。

 阪急サイドも腰痛の情報は掴んでいた。ところが、その試合で大活躍。落合氏は「山田さんに『お前三味(線を)弾いたな』って言われたもん」と笑った。

 「三味を引く」とは痛くないのに痛いと思わせて相手を油断させる作戦だが、実際は本当に野球どころではなかった。

 「身動き取れなかった。練習行けないんだもん。起き上がれない。まぁ、それが1番、開幕では覚えてることかな」

 腰の痛みが落合氏に記憶を刻み込んだに違いない。

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2023年3月29日のニュース