侍・栗山監督が準決勝で村上に代打に送らなかった決断 その理由の一つは源田のスリーバントだった

[ 2023年3月29日 18:27 ]

栗山監督(左)と抱き合う村上(撮影・光山 貴大)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、09年第2回大会以来14年ぶりに世界一に輝いた侍ジャパン栗山英樹監督(61)が26日深夜放送のNHK「今夜も生でさだまさしスペシャル~WMC50(ワイワイまさしクラシック50)~」(深夜0・20)に生出演。準決勝のメキシコ戦で逆転サヨナラ打を放った村上宗隆内野手(23=ヤクルト)をそのまま打席に立たせた決断に至った経緯を語る場面があった。

 日本の主砲として期待された村上は、1次ラウンドから不振にあえぎ、4番から5番へと打順は変更となった。準決勝のメキシコ戦でも4打席凡退と快音がないまま迎えた1点を追う9回無死一、二塁。さだが「今までの日本チームだったら、あそこは必ずバントです!」といたずらっぽく笑いながらツッコミ。すると栗山監督は「いや、本当ですよね、まっさん。僕ね、試合が終わってから怖くなったんですよ、ちょっと」と語った。さだは「僕はね、あの時に、あ~栗山が監督で良かったなあと思ったのはね、村上をそのまま打席に…」と慣例にとらわれず、選手の気持ちに寄り添いながら勝利を目指す栗山監督の采配を称賛した。

 ただ、栗山監督はその時の判断について、冷静に振り返った。村上を信じる思いと同時に持っていたのは「監督というのはチームを勝たせる責任があるので、冷静に確率は考えるんですね。バントで送ったケースと打たせたケースって確率はどっち(が高い)だろうと」と話した。

 その時に判断の一つの基準となったのが、2点を追う8回無死一、二塁で源田がスリーバントを成功させたことだった。「代打バントって…。実はあの前に源田選手がバントがうまいのにスリーバントまで行きましたよね。あの時に何を感じているのかというと、バントが本当に難しいんだと。だから、代打でバントにいったとしても、確率が高くないと自分の中で計算した」と打ち明けた。その上で「(相手投手の)球が上ずっていたので、高めにくれば、外野フライを打てば、一、三塁になって、周東選手が盗塁で、また二塁、三塁になるって瞬間的に考えていた。最後は僕の思い」で村上をそのまま打席に送り、打たせた。

 栗山監督の現役時代から親交があり「まっさん」「栗山」と呼ぶ合う、さだとの“約束の出演”。さだも栗山監督の深い話に何度もうなずいていた。

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