イチロー氏 五輪は「出ない」WBCは「迷いがなかった」 出場可否に関する一貫した考え明かす

[ 2023年3月6日 18:45 ]

イチロー氏(AP)
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 コナミデジタルエンタテインメントは6日、モバイルゲーム「プロ野球スピリッツA」において、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(49)への特別インタビュー動画をYouTubeで公開した。動画では2006年と2009年に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でイチロー氏とともに戦った優勝メンバーの中からベストオーダーを選出。メンバーや大会への思いのほか、日の丸を背負う覚悟などをイチロー氏ならではの言葉で語っている。その中で2006年、2009年に出場して連覇に導いたWBCと、出場のなかった五輪について語る場面があった。

 動画では、野球日本代表の侍ジャパンが連覇を果たした2006年第1回大会、2009年第2回大会に出場した代表選手から、イチロー氏が独自の視点で「ベストナイン」を決める内容で、投手3人、野手はDH含む9人が選ばれた。

 その動画の最後に、「日の丸を背負って戦うこととは?」と問われたイチロー氏は「オリンピックは何回か、僕がプロになってからもあったんですよ。(しかし、)僕はオリンピックにはどれだけ声をかけられても、出ることはなかった。その理由は、オリンピックで金メダルって世界一であるべきだと僕は思っているので。でも残念ながら、野球で金メダルを獲ってもそれは世界一ではない。その大会に僕は出る気持ちがない。本当に世界一を決める大会なら、僕は喜んで出る。当時からそれは言っていたことなので」と持論を語った。

 その中で2006年にWBCが行われることが発表された。「2006年のタイミングで、もちろん初めての大会だからね、どうなるかもちろん分からない手探りの状態だったけれども、でもメンバー見たら…、実は当時からすごいメンバーが出ていて、アメリカなんてとんでもないメンバーなんですよ、実は。タイミングの難しさとかもちろんあるんだけれども、でもそこに(出場する)迷いはなかった」という。米国代表のメンバーは、ジーター、A・ロドリゲス、クレメンスなど、当時のトップクラスが集結していた。

 「将来を見据えたときにワールド・ベースボール・クラシックという大会が育っていってほしい、続いていってほしいと当然考えていたので。世界のチームはどうなるかはわからないけど、少なくとも日本では盛り上げたいなと。もし僕らが勝てば。少なくとも日本国内は盛り上がると思った」という。

 第1回大会は、米国での2次ラウンドで、米国、韓国に敗れて1勝2敗。準決勝進出は絶望的だったが、同ラウンドの最後にメキシコが米国に勝ち、得失点率の差で準決勝進出を果たした。「運よくメキシコがアメリカに勝ち、そういうことも含めてストーリーができて世界一になって。それは、1回だけじゃなかなか。しかも完全に(アメリカに)勝ったわけじゃなかったから。2009年の大会は当然大事にしていたし、そこにはもっと迷いはなかったし。ただやっぱりこう、負担はかかったし、胃に穴が開くわなって」と語った。WBC連覇に導いた2009年、大会終了後にイチロー氏は胃潰瘍でメジャー9年目で初めて故障者リスト(DL)入りを経験した。

 「プロスピA」では、8日午後2時59分までは「2006 日本代表セレクション」、同日午後3時から22日午後2時59分までは「2009 日本代表セレクション」を開催する。

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