広島 福地氏&石原氏入閣発表 新井新政権で球団OBに機動力復活&捕手力強化託す

[ 2022年10月25日 05:00 ]

引退後の13年から昨季までヤクルトでコーチを歴任した福地寿樹氏(中)(撮影・篠原岳夫)
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 広島は24日、ともに球団OBの福地寿樹(46)、石原慶幸(43)両氏と来季のコーチ契約を結ぶと発表した。福地氏は走塁部門、石原氏は1軍バッテリーコーチを担当する見込みだ。あわせて藤井彰人(46)、新井良太(39)両氏の入閣も正式に発表。新任コーチ4人の就任会見は近日中に行われ、来季コーチングスタッフの全容は11月初旬にも発表される見通しだ。

 来季のテーマとなる機動力野球の復活と捕手力強化は、新コーチの手腕に託される。現役だった05年以来の古巣復帰となる福地氏は走塁部門のポストに就く見込み。松田元オーナーは「盗塁には技術だけでなく勇気や投手の癖、見方などが必要になる。そのような部分を選手に伝えてほしい」と期待を寄せた。

 俊足巧打を武器に活躍した福地氏は、現役時代に広島、西武、ヤクルトの3球団でプレー。ヤクルト在籍時の08、09年に2年連続で盗塁王を獲得し、現役19年間で通算251盗塁をマークした。現役引退後の13年から昨季までの9年間はヤクルトで1、2軍の外野守備走塁や2軍チーフを歴任。1軍外野守備走塁コーチだった昨季は三塁ベースコーチとして日本一を支えた。

 今季は球団ワーストを更新する26盗塁に終わった広島。新井監督は来季、球団伝統である機動力野球の復活をテーマに掲げている。福地氏には現役時代の高い走塁技術と豊富な指導者経験をもとに、新井野球の土台づくりが期待されている。

 また、現役19年間を赤ヘル一筋で貫いた石原氏は1軍バッテリーコーチを担う。現役を引退した20年以来となる現場復帰に、松田オーナーは「絶対に球団に戻ってもらわないといけない人材だった。坂倉が捕手に戻るし、厳しく指導してくれると思う」と明かした。

 今季の盗塁阻止率・204は12球団ワースト。新井監督は、坂倉の捕手一本での起用を明言するなど捕手力強化を目指している。現役時代に指揮官と野球観を共有してきた石原氏が、正妻・会沢の再生や若手捕手の育成に取り組むことになる。

 今回、入閣が発表された新任コーチ4人のうち福地、藤井、新井良の3氏が他球団での指導経験を持つ。いずれも水面下で新井監督が自ら電話をかけるなどして招へいに成功した人材。同オーナーも「新井監督がいたからこそ、これだけの人を引っ張ってこられた」と感謝する。阪神へのFA移籍などで広がった指揮官の人脈が、広島に新しい風を吹かせる。 (河合 洋介)

 ◇福地 寿樹(ふくち・かずき)1975年(昭50)12月17日生まれ、佐賀県出身の46歳。杵島商では甲子園出場なし。93年ドラフト4位で広島入り。95~98年にウエスタン・リーグ盗塁王。06年3月に交換トレードで西武入り。07年オフ、FA移籍した石井一久の人的補償でヤクルト入りし08、09年に盗塁王。12年引退。通算1009試合で打率.272、20本塁打、184打点、251盗塁。13年から21年はヤクルトでコーチを務めた。右投げ両打ち。

 ◇石原 慶幸(いしはら・よしゆき)1979年(昭54)9月7日生まれ、岐阜県出身の43歳。県岐阜商では2年夏、3年夏に甲子園出場。東北福祉大を経て01年ドラフト4巡目で広島入り。2年目の03年から1軍に定着。16年は正捕手としてリーグ優勝に貢献しベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得。20年引退。通算1620試合で打率.236、66本塁打、378打点。09年WBC日本代表。右投げ右打ち。

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