大谷メジャー移籍前のキャンプ視察した日体大指揮官の決断 ドラ1矢沢と日本ハムの運命的なつながり

[ 2022年10月25日 07:30 ]

ドラフト会議で稲葉GM(左)が使用したIDを手渡される日体大・矢沢(撮影・村上 大輔)
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 日本ハムが20日のドラフト会議で1位指名した日体大の二刀流左腕・矢沢宏太投手(22)は日本ハムに入る運命なのかもしれない。

 二刀流として一つ目の分岐点は古城隆利監督が指揮する日体大に入学したことだった。古城監督は二刀流として活躍するエンゼルス・大谷がメジャー移籍前に日本ハム・大渕隆GM補佐兼スカウト部長から「大谷翔平を見ておいた方がいい」と誘われ、日本ハムキャンプを視察。打っては特大弾を連発し、投げては150キロ超の剛速球を投げ込む姿を目の当たりにし、隣で見ていた大渕部長から「これを見てどっちかをやらせることはできないでしょう?」と言われたという。古城監督にとってこのキャンプ視察、大渕部長の言葉が矢沢の二刀流継続の大きなポイントだったと話す。
 藤嶺藤沢時代の18年ドラフトで指名漏れした矢沢が日体大に入学。古城監督が矢沢に「野手と投手のどっちをやりたいか?」と問うと矢沢は「チームの方針に従います」と返答したという。「以前ならどっちかに絞られていたかもしれないけど、大学はそういうことができる」と古城監督は矢沢に「どっちもやろうか」と二刀流を提案したのだ。

 投げては最速152キロ、打っては俊足巧打の外野手としてドラフト1位候補にまで成長したが、球団によっては野手だけを評価する声もあった。そこで大渕部長は20日のドラフト会議前の9日に日体大で矢沢と面談。その際にプロ入り後の本人の意向を確認したところ「野手一本とかそういう気持ちがあるのかなと思っていたけど、投げて、打って、走りたいという本人の非常に強い希望があった」と1位指名と二刀流選手としての育成を決定。ドラフト会議で見事一本釣りに成功した。

 これも野球の神様の導きだろうか。大谷の存在が、次なる二刀流スターの候補である矢沢を生み出し、その大谷を成長させた日本ハムが交渉権を獲得した。矢沢には新たな二刀流像を築き上げてもらいたい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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