阪神・岡田監督の第一声は期待通り「1年目から優勝を狙いにいく」けど「明日からは“アレ”って言え」

[ 2022年10月25日 05:15 ]

岡田監督はナインを集めて所信表明(撮影・大森 寛明)
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 「第2次岡田政権」の幕開けだ。阪神の秋季練習が24日、甲子園球場で始まり、2008年以来の古巣復帰となった岡田彰布新監督(64)が前回と同じ背番号80のユニホーム姿をお披露目。練習前の全体ミーティングで「優勝を目指す」と宣言しながら「明日からは“アレ”って言え」とすぐさま「禁句指定」。自身が指揮した05年以来の「優勝」に向け、らしさ全開で始動した。

 新監督から期待通りの「珍指令」が飛び出した。練習開始前の外野芝生上での青空ミーティング。全選手、コーチ、スタッフの前であいさつした岡田監督は1日限りの「優勝宣言」をした上で、さっそく、その2文字を禁句にも指定した。

 「来シーズンから、もう1年目から優勝を狙いにいくというね、そういうことは言ったんだけどね。それは、そういう可能性があるから、そういう言葉を言っただけで、明日からは『アレ』って言えと。今日は(優勝と)言うたけど」

 16日の就任会見でも「アレ奪回」を宣言していた指揮官。あえて禁句としたのは、選手に変に意識させない狙いもあるが、その難しさを熟知しているからだ。前回政権では就任2年目の05年に優勝。ただ、戦力的には充実していたその後の3年間は頂点に立てず、08年に最大13ゲーム差あった巨人に逆転優勝を許して辞任した。

 「優勝、優勝って、まあ、ねえ…。現実に17年間もしてないわけやから、あまりそんな言うような言葉じゃないと思うし。長いで、今から優勝とか言ってたら、1年間」

 もちろん、言葉に出さないだけで自信はみなぎっている。初日の練習中は誰にも話しかけず、二塁後方や、三塁ベンチから選手の動きに鋭い視線を送り続けた。「スタンドから見ているのとは全然違う。やっぱり改善しないといけないというかね。ゴロの捕り方とか足の運びとかね。ちょっと変えないと」。グラウンドレベルでしか分からない、選手の現状把握に着手した。

 一方で岩崎、青柳、西勇ら、今後オフに入る6投手とはスタンドで座って話し合いの場を持った。「そらもう当然、ローテーションとブルペンね、来季もやってもらうという確認」。さらに侍ジャパンの強化試合が控える湯浅のブルペン投球もチェックした。ほとんどの選手が“初対面”とあって、きょう25日の2日目からは「個人面談」も行う予定だ。

 「どういう考えでやっていたとかな。性格とかもある。しゃべってみんと分からん部分もあるからな」

 球界最年長監督ながら、心も体もまだまだ若い。優勝…もとい、「アレ」を奪回するため、いよいよ岡田阪神が本格的に動き出す。(山添 晴治)

 ▽岡田監督の「アレ」 オリックス監督時代の10年にチームは初の交流戦優勝。岡田監督は阪神監督時代の08年に土壇場でリーグ優勝を逃した苦い経験から、選手に意識させないよう、期間中は「優勝」を「アレ」と言い換え、6月13日の決定まで封印。記念グッズで「アレしてもうた」とプリントされたTシャツとタオルが発売されるほどの流行語!?になった。

【初日の岡田監督】

9:54 背番号80が記されたジャンパーでグラウンド入り

9:56 外野芝生上で初ミーティング、3分間の所信表明

10:05 西勇、秋山、岩崎、岩貞、青柳、藤浪と一塁側アルプスで5分間の話し合い

10:30 ポール間のランニングを嶌村球団本部長らと見守る

11:00 平田ヘッドらと打ち合わせ

11:05 野手のキャッチボールに熱視線

11:13 一塁側ブルペン入り

11:31 一塁・大山らのノックを見守る

11:49 三塁・佐藤輝のノックを三塁側カメラ席からチェック

12:03 三塁側ベンチ前から大山、近本の打撃練習を観察

12:36 35スイングで最後は柵越え4連発の佐藤輝のフリー打撃を平田ヘッドとともにチェック

12:44 練習終了

12:49 インタビューでリクエストを受け、背番号80を披露

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