ヤクルト日本一の使者はドラ1・山下 球団新人初の日本S白星へ「ぶっつけ本番」第5戦先発有力

[ 2022年10月25日 05:20 ]

キャッチボールする山下(撮影・村上 大輔)
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 日本シリーズ第5戦の先発が有力視されるヤクルトのドラフト1位ルーキー・山下が、完全燃焼を誓った。1年目の今季、1軍戦の登板は2試合だけ。CSファイナルSでの登板もなく、プロ初勝利を挙げた9月30日の広島戦以来の1軍マウンドが大舞台で巡ってきた。新人投手がシリーズで白星を記録すれば球団初の快挙となる。

 「シート打撃に2回入っているので、実戦感覚はそこそこある。ぶっつけ本番もいいのかなと思う。持てる武器を出し切って抑えられるようにしたい」

 その武器の一つがワンシームだ。投球の幅を広げるため「いろいろと教えてもらってたどり着いた」という新球。「左打者には食い込み、右打者には逃げる。いい武器になると思う」と自信を深めている。実戦から遠ざかっている間も、ワンシームの制球を磨いてきた。警戒する選手には吉田正を挙げ、全力で封じ込める覚悟だ。

 24日は神宮外苑の施設でキャッチボールなどで調整。練習前は同じ左腕の大ベテラン・石川から「こんな経験は1年目からできない。楽しく、思い切り投げるだけだぞ」と声を掛けられた。法大4年時の昨年は、合宿所のテレビで見ていた舞台。「いずれはと思っていたけど、1年目から来るとは思ってなかった。しっかり投げて勝ちに貢献したい」。チームが連勝すれば日本一が懸かる第5戦で、山下が名前の通り「輝(ひかる)」投球を見せる。(秋村 誠人)

 ◇山下 輝(やました・ひかる)1999年(平11)9月12日生まれ、千葉県出身の23歳。小3で野球を始め、岩根西中では軟式野球部に所属。木更津総合では2年春夏、3年夏の3度、甲子園出場。法大では3年春に2勝、防御率0.00で優勝に貢献した。昨秋は防御率1位の0.98をマークし、ドラフト1位でヤクルト入り。今年9月22日の中日戦でプロ初登板初先発を果たした。1メートル88、100キロ。左投げ左打ち。

 ≪日本S新人勝利投手16人≫日本シリーズの新人勝利投手は、17年第4戦の浜口(D)まで16人いる。球団別に見ると(前身球団を含む)、巨人が最多の4人、西武、日本ハムが各3人、オリックス、ソフトバンク、楽天、広島、DeNA、松竹が各1人となっており、現12球団で達成者がいないのはヤクルト、阪神、中日、ロッテだけだ。なお、ヤクルトで新人投手が先発すると92年西武第3戦の石井一久(3回1/3、2失点で●)以来30年ぶりになる。

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2022年10月25日のニュース