「絶対大丈夫」だけじゃない 言葉の力があるヤクルト高津監督 雰囲気作りの巧みさ

[ 2022年6月28日 11:39 ]

ヤクルト高津監督
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 ヤクルト・高津監督はやはり言葉の力がある。昨年は「絶対大丈夫」を合言葉に20年ぶり日本一を達成。ベストのタイミングで発する選手の士気を上げる言葉以外にも、今季はキャッチーなフレーズやクスッとさせてくれる発言が増えたと感じる。

 例えば、42歳の石川と19歳の内山壮の23歳差バッテリーを「親子キャッチボール」と表現。34歳の川端を「6番・一塁」で2年ぶりにスタメン起用した5月21日のDeNA戦では「6、7、8番は“ヤングスワローズ”と思っていた」と説明。代打の切り札と7番の内山壮、8番の20歳の長岡との新鮮な並びをネーミングした。石川と40歳の青木が活躍した6月19日の広島戦でも「今日は石川がリーダーで青木が副リーダーのヤングスワローズ」とまだまだ元気な投打の最年長コンビを表現した。

 感情が伝わる言葉も増えた。7点差を逆転勝利した阪神との開幕戦後には「いやいやいや、この勝ちはすごくうれしいけれど、(心と体が)もたんねえ」と本音を吐露。山崎がサヨナラ逆転3ランを放った5月25日の日本ハム戦では「なんて答えていいか、ちょっとよく分からない。不思議な勝ち」と恩師の野村克也元監督の名言を拝借した。

 チームは勝利した6月4日の西武戦で5回8四球2失点だった高橋について「110球で2安打なんでね…すごいかっこいいけれど」と完投したかのようだと苦笑い。「4三振もするけれど、サイクルもする」と表現する塩見がバースデーアーチを放った6月12日のソフトバンク戦後には「ハッピーボーイですよ」。6月24日の巨人戦で人生初の2本塁打を放った中村については「人生で一番飛んだんじゃないですか」とニヤリと笑った。

 選手の個性やキャラクターも踏まえて、いじって場を和ます。指揮官の雰囲気作りの巧みさも、首位を快走する理由の一つだ。(記者コラム・青森 正宣)

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2022年6月28日のニュース