中畑清氏 故郷・福島で東都大学野球開催「こんなうれしいことはないよ」

[ 2022年6月28日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】決まったねえ。東都大学野球秋季リーグ戦の開幕戦福島開催。東都の野球を我が故郷で見てもらえるんだ。こんなうれしいことはないよ。その半面、プレッシャーも感じている。絶対に成功させなきゃいけないってね。

 今年4月2日。大分県の別大興産スタジアムで東都大学野球91年の歴史で初めての開幕戦地方開催が断行された。神宮球場は東京六大学が土日を使い、東都は授業のある平日しか使えない。厳しい運営状況が続く中、地方に目を向け、地元の高校生と交流し、東都の野球を見てもらう。知ってもらう。これが一番大事なんだよね。思い切った改革。駒大出身の私もはせ参じましたよ。

 前夜祭では東都OBの阿波野秀幸(亜大)、野村謙二郎(駒大)、笘篠賢治(中大)、清水直行、加藤康介(ともに日大)、渡辺俊介、伊藤義弘(ともに国学院大)とトークショーをやってさ。思い出話で盛り上がった。国学院大―中大の開幕戦では始球式をやらせてもらった。

 お客さんも1万人以上入ってくれてね。熱気ムンムン。神宮をメインにしながら地方に進出するという未来の形が見えてきた。その第2弾が福島ってわけ。何でもそうだけど、一発目に成功した後の次が大事なんだ。

 私と東都の出合いは福島県の安積商(現帝京安積)時代。3年夏の福島大会2回戦で敗退した直後に郡山西高の石本哲禅(てつぜん)監督から「駒大のセレクションを受けないか?」と声をかけてもらった。

 駒大OBの石本先生は私の人生の師である太田誠さんの1年先輩。駒大の監督に就任したばかりの太田さんに「郡山にこんな選手がいる」と薦めてくれたらしい。そのおかげで、その後の野球人生がある。

 以前は大学野球といえば東京六大学と東都にいい選手が集まるイメージだったけど、今や地方大学のレベルが上がり、ドラフトで上位指名される選手が増えている。そんな中、東都の野球に接した福島の高校生が東都を目指すようになってくれたら最高だね。

 お手伝いできることがあれば、目いっぱいやる。29日は巨人―中日戦の解説で郡山のヨーク開成山スタジアムへ。関係者に会ったら作戦会議を開かなくちゃね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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