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【スポニチスカウト部(19)】花巻南・柿沢 豪快フォームで成り上がる「日本を代表する投手に」 

[ 2022年6月28日 07:00 ]

最後の夏にアピールしプロ入りを狙う柿沢(撮影・柳内 遼平)
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第19回は花巻南(岩手)の大型右腕・柿沢佑多投手(17)。東北を代表する名門・花巻東の陰に潜んでいた隠し玉が、最後の夏に下克上を狙う。

 柿沢はメディアにもほとんど登場したことがなく知名度も皆無。それでもプロのスカウトは地方に眠る逸材を見逃さない。既に4球団のスカウトが、田畑に囲まれた花巻南のグラウンドに来訪。1メートル85の長身から投げ下ろす最速141キロの直球と、鋭く落ちるフォークを見ればほれ込まずにはいられない。

 「自分は即戦力の投手ではないと思う。もし、プロに入ることができれば、千賀投手のような日本を代表する投手になりたい」

 右腕を真上から振り抜き、背中を叩く豪快なフォーム。柔軟性の原点は小学生の時に習っていた水泳だ。長身の割に体重72キロと細身で、球速もその日の調子によって大きく変わる未完の大器はダイヤの原石。完成度が足りないことは本人も承知している。それでも進路はプロ一本で育成指名も歓迎。決意の理由は「両親が自分をここまで育ててくれてお金を結構、使ったと思う。そのお金以上に恩返しして幸せな生活をしてほしい」と明快だ。

 花巻南入学時は120キロ台前半の直球しか投げられなかった。だが、素質を評価した当時の3年生からは「140キロが投げられるようになる」と絶賛された。1メートル78、58キロで入学。北上市から通学する柿沢は毎日、1・5キロもあるお弁当を食べて増量に励んだ。体が大きくなるに比例して球速も急上昇した。

 花巻市には同じ紫をチームカラーにする東北屈指の強豪・花巻東があり「どうしても花巻東のイメージが強い。そこに負けないくらいのインパクトを残したい」と下克上を誓う。最後の夏の組み合わせが決まり両チームが勝ち抜けば、2回戦で岩手No・1右腕の斎藤響介投手(3年)を擁する盛岡中央と激突。「みんな中央が勝つと思っている。絶対にそんな結果にさせない」とメラメラ燃えている。(柳内 遼平)

 ≪花巻東・麟太郎と夏の「再戦」警戒≫同じ花巻市にある花巻東と4月に練習試合を行い、高校野球史上かつてないペースで本塁打を量産する佐々木麟太郎内野手(2年)と対決。結果は2打数1安打。1打席目は甘く入ったチェンジアップを右前に痛打されたが、2打席目は直球で押し込み二ゴロに仕留めた。豪快なスイングをマウンド上で体感し「凄い打者。強い真っすぐでもコースに投げ分けないといけない」と夏の「再戦」を警戒した。新チームとなった昨秋は岩手県大会4強。「自分が打たれても打線がバチバチ打ってくれる。結束力が強み。花巻南を選んでよかった」と胸を張った。

 ☆球歴 鬼柳小1年時に野球を始め、北上南中では軟式野球部に所属し、3年時に北上市と西和賀町から選抜されたKボールチーム「オールWAGA」に選出。花巻南では1年秋からベンチ入りし、2年秋から背番号1。

 ☆球種 直球、スライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、フォーク。

 ☆学校の歴史 1911年に花巻高等女学校として開校。同校OGで、作家の宮沢賢治の妹・宮沢トシが教諭心得として指導にあたったことで知られる。53年に現校名となり91年に共学化。

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