秋山の広島入りに「えっ、マジ」交渉担当の球団本部長も仰天 球団は背番9用意「3番・中堅」期待

[ 2022年6月28日 04:45 ]

秋山翔吾外野手
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 広島は27日、米大リーグ、パドレス傘下のマイナー3Aエルパソを自由契約となっていた秋山翔吾外野手(34)の獲得を発表した。今季途中から24年までの3年契約、総額3億5000万円以上プラス出来高払いとみられる。前監督の緒方孝市や巨人・丸らが付けた背番号9を用意し、「3番・中堅」として期待。西武、ソフトバンクとの争奪戦を制しての入団には球団幹部も驚きを隠せず、選手もそろって歓迎した。

 交渉を担当した鈴木清明球団本部長ですら仰天した。「ビックリした。頭が真っ白になった。(秋山に)“えっ、マジ!?”って言ってしまった」。古巣の西武、圧倒的な資金力を誇るソフトバンクとの三つ巴。不利とみられた争奪戦を制した。

 24日に都内で交渉。年俸など条件面の提示はすぐに終わり、野球談議に花が咲いた。「雑談ばかり。自分一人で話した記憶しかない」。誠意と熱意は十分に伝わっていた。対面から2日後。26日のDeNA戦後に電話で「カープにお世話になります」と伝えられた。「(タクシーを)どう降りて、どうやって改札に入ったのか覚えていない。弁当も買い間違えたかと思った」。夢見心地のまま新幹線で帰広した。

 ナインからの“協力”もあったと想像した。「応援団がたくさんいた。彼らが一生懸命、自主的に動いてくれたのだと思う。そういういい雰囲気を感じてくれたのかもしれない」。同学年の会沢を筆頭に侍ジャパンで同僚だった菊池涼、田中広ら親交の深い選手が多く在籍。球団伝統の温かさも秋山の決断を後押しした。

 選手会長の大瀬良は「ビックリした。一緒に戦える日を待ちわびています」と大歓迎。投手主将の九里は「メジャーに行って、国際大会でも戦った方。打席での考え方とかを聞いて勉強させていただきたい」と対面を心待ちにし、床田は「昔からテレビで見ていた人。凄く心強い」と胸を躍らせた。

 今週中に正式契約を結び、入団会見を予定。昨季まで不動の右翼だった鈴木が大リーグに移籍し、西川が負傷離脱して以降は外野3枠とも流動的な状況。一日でも早い合流が望まれる中でも本人の体調を最優先し、1、2軍のどちらに合流するかは首脳陣との話し合いで決める方針だ。

 同本部長は「不安定な外国人の補強より、計算できる日本人の方がいいだろうという思いはあった」とも言及。勝率5割で3位につける踏ん張りどころ。秋山獲得に動いたのは、今季にかける球団の本気度も表していた。(河合 洋介)

 〇…松田元オーナー(71)は「来てくれることになって本当にありがたい。私も、とても喜んでいるが、私以上に広島のファンの方が喜んでくれている」と感謝した。球団は戦力としてだけでなく、人間性も高く評価。「手本になる選手が来てくれる。若い選手には競争相手になるかもしれないけど、刺激となり、喜びを感じることだろう」と期待した。

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2022年6月28日のニュース