オリックス12年ぶり開幕星 由伸気迫の8回無失点 中嶋監督に通算100勝目プレゼント

[ 2022年3月26日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス6ー0西武 ( 2022年3月25日    ベルーナD )

<西・オ(1)>5回、西武・外崎のバントの打球に飛びつくオリックス・山本(撮影・郡司 修)
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 オリックス・山本の気迫が、12年ぶりとなるチームの開幕戦白星を呼び込んだ。0―0の5回無死一塁だった。送りバントを試みた外崎の飛球に、迷うことなく頭から飛び込んで、白球をつかんだ。

 「サインが高めの直球でしたし、絶対に浮くだろうなと準備していまして、ヘッドスライディングしちゃいました」。続く栗山を外角フォークで遊ゴロ併殺。その姿に奮い立ったかのように直後の6回、宗、吉田正の連続適時打が飛び出した。

 1年前に苦杯をなめた敵地で、白い吐息が物語るように冷え込んだ球場を熱くした。コースを突く直球は最速156キロを計測。8回3安打無失点で9奪三振。三塁すら踏ませなかった。

 中嶋監督は最後まで2年連続2度目の大役を公表しなかったが、指揮官からは2月中旬に通達されていた。「責任感が芽生えたとかより(昨季開幕戦は)負けちゃったので。その気持ちしかない」。個人タイトルは総なめ、リーグ優勝に東京五輪金メダル。最高のはずだった昨季は、自らの敗戦から始まり日本シリーズ第6戦は9回1失点で終戦した悔しさが募った。この日、球場入りの際に指揮官が発した大号令は「去年は日本で2番目。日本一になるしかない…なるぞ!」。燃えないわけがなかった。

 自身のレギュラーシーズン連勝を16に更新し、チームの開幕戦連敗も止めた。そして中嶋監督に通算100勝目もプレゼント。日本一になった過去4度は全て開幕戦勝利だ。「チームにも、僕自身にも大きな1勝」。96年以来のリーグ連覇、そして日本一へ――。絶対エースが負の連鎖を断ち切り、展望を開いた。(湯澤 涼)

 《中嶋監督通算100勝》中嶋監督(オ)が22年開幕戦勝利で監督通算100勝(90敗21分け)に到達。内訳はオリックス監督代行の20年29勝、監督就任後の21年70勝、22年1勝。前身の阪急時代を含むオリックス監督の100勝以上は15~18年の福良監督227勝以来15人目。

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2022年3月26日のニュース