阪神 セ開幕戦史上初の7点差大逆転負け 矢野監督「俺の責任」、今季限り退任表明“嵐の船出”

[ 2022年3月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8ー10ヤクルト ( 2022年3月25日    京セラD )

<神・ヤ>ベンチに戻るケラー(左)を見つめる阪神・矢野監督
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 阪神は初陣となったヤクルト戦(京セラドーム)で屈辱の大逆転負けを喫した。4回までに8点を奪いながら、継投に失敗。7点リードを引っ繰り返されたのは、2013年8月20日のDeNA戦以来9年ぶり。新助っ人右腕のカイル・ケラー投手(28=前パイレーツ)が1点リードの9回に2発を浴びた。今季限りの退任を表明している矢野燿大監督(53)は嵐の船出になった。

 悪夢の開幕戦だ。大量得点をはね返されて敗れた。開幕戦の7点差逆転負けは、セ・リーグ史上初。昨季は勝率わずか5厘差で敗れたヤクルトに、あまりにも痛い黒星を喫した。今季限りでの退任を表明している矢野監督は采配の責任を背負い込んだ。

 「出した俺の責任と受け止めている。7点差をひっくり返されることはなかなかないこと。俺自身が受け止めながら、どう立て直すかをやっていかないといけない」

 懸念のリリーフ陣が崩れた。8回に投入した4年目の斎藤がヤクルト打線を目覚めさせた。サンタナに2ランを浴び、3点差に詰められた。これ以上の失点は許せない状況の2死一塁で、勝利の方程式の一角、岩崎が登板したものの、3連打を浴びて1点差に。9回は新助っ人のケラーが山田に同点ソロ、サンタナに決勝2ランを浴びた。序盤の猛攻で盛り上がった大観衆は、水を打ったように静まり返った。

 2年連続セーブ王で昨季は一度も被弾しなかったスアレスがメジャーへ移籍。抜けた穴の大きさが、初戦で浮き彫りになった。ケラーは新型コロナウイルスの水際対策による影響で6日に来日したばかり。実戦4試合3回2/3を無失点に抑えていたものの、急ピッチ感は否めず、最速159キロの直球は140キロ台にとどまった。

 万全には遠く、岩崎も守護神でスタンバイ。ギリギリまでストッパーを一本化できないどころか、ケラーは9回のマウンドを一度も経験していなかった。不安定な立ち場のままで開幕を迎えた2人が敵にのみ込まれた。

 指揮官はケラーへの同情を封印した。「プロである以上、難しい状況でもやるのがプロ」。その上で、「今のこの時点では、長いシーズンを戦う上で、ケラーに頑張ってもらわないと」と、守護神継続を口にした。岩崎とともに、頼みの抑え二枚看板が崩れる厳しい船出ながら、打線と藤浪の好投は明るい材料。143分の1と受け止め、再び歩み出すしかない。(倉世古 洋平)

 ≪82年西武以来の開幕7点差≫阪神は最大7点差から大逆転負け。開幕戦では82年に西武が日本ハム戦で7―0→7―10とされて以来、2例目の最大得点差となった。歴史的大敗で発進した82年の西武だが、日本ハムとのプレーオフを制しリーグV。中日との日本シリーズを4勝2敗で制している。

 ≪9年ぶりの屈辱≫開幕戦に限らず7点優勢から敗れるのは、13年8月20日DeNA戦の7―0→8―9以来、9年ぶり。

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2022年3月26日のニュース