阪神・藤浪 逆襲のシーズンへ力強い第一歩 開幕星スルリも「最低限の仕事はできたかな」

[ 2022年3月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8ー10ヤクルト ( 2022年3月25日    京セラD )

<神・ヤ(1)> 気迫の投球を見せる藤浪(撮影・大森 寛明)
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 大役の務めを果たした。2年連続の開幕投手となった阪神・藤浪は、7回6安打3失点で降板。終盤の悪夢で生え抜きでは11年の能見以来となる開幕戦の白星は幻となったものの、逆襲のシーズンへ力強い第一歩を踏み出した。

 「調子が良かったわけではないですが、その中でも何とか粘ってゲームをつくることができたのは良かったですし、先発として最低限の仕事はできたのかなと思います」

 立ち上がりは緊張感が漂った。初回、先頭の塩見に右翼線へ二塁打を浴びると、2死一、三塁からサンタナに右前適時打で先制点を献上。それでも、一気に崩れるのは、もう過去の話だ。2回以降は粘りの投球で試合をつくった。3回は2死から連続四球でピンチを招くもサンタナを158キロの直球で見逃し三振。変化球の制球に苦しみながらも7回までリードを守りクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を記録した。

 内定していた青柳のコロナ陽性で巡ってきた開幕のマウンド。普段から験担ぎはしないタイプだが、まだ開幕2戦目に向かう予定だった3月中旬、実家の堺市にある神社で手を合わせた。「必勝祈願とかするタイプじゃないですけど、なんとなくふらっとですね。氏神様にお参りしておこうと思って」。必要以上に気負うことなく、本番を迎えていた。

 戦いは始まったばかりだ。異様な空気に包まれ、本調子でない中で腕を振った110球の力投は次戦につながるはず。矢野監督も「晋太郎も気負うし、力むし、その中で落ち着いて投げてた。これで全部良かったというわけにはいかないけど」と及第点を与えた。

 先発一本に絞り、ローテーションに定着してシーズン完走を目指すプロ10年目。長年、苦しんだフォームも安定し、操れる球種も増えた。着実に歩む復活の道。この夜の白星はまた取り返せる。(遠藤 礼)

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2022年3月26日のニュース