日本ハム・新庄BIGBOSS“常識破壊野球”幕開け 初陣負けちゃったけど主役!敵地・福岡で大暴れ

[ 2022年3月26日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム1―4ソフトバンク ( 2022年3月25日    ペイペイD )

<ソ・日>4回、石井(手前)がソロを放ち大喜びの新庄監督(撮影・岡田 丈靖)  
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 プロ野球は25日、セ、パ両リーグが開幕した。3年ぶりに新型コロナウイルスによる入場制限がないスタートとなり、6球場に計18万4453人の観衆が訪れ、歓喜に沸いた。日本のエース、オリックス・山本由伸は8回無失点でチームの開幕戦連敗を10で止めた。巨人のドラフト1位・大勢はセ史上初の新人開幕戦セーブを挙げた。ヤクルトは阪神に7点差の大逆転勝利を収めたが、最も驚かせたのは「ビッグボス」こと、日本ハムの新庄剛志新監督だろう。ドラフト8位の北山亘基を開幕投手に抜てきし、26日の予告先発・堀瑞輝まで登板させた。逆転負けを喫したが、予測不能の継投を展開。ビッグボスは常識を破壊した。 

 現役を終え、タレントなどを経て、立場は監督に変わった。50歳。それでも新庄監督は、その時、その時を楽しむ。前日に選手に「遊び心を持って」と求めたが、それは自身も同じ。初勝利まであとアウト5つだった大熱戦を終え、開口一番に「いや~、惜しかったね。いいゲームだった」と充実感をにじませた。

 監督初陣でも、常識破りの戦法を連発して強敵と互角の戦いを演じた。恩師の故野村克也氏が残した言葉に「先入観は罪」という言葉がある。指揮官自身も「常識は世の中が決めているだけ。普通って何?」と常々口にする。この日は前例にとらわれず先発と救援陣をシャッフルした。

 守護神候補の新人右腕・北山を開幕投手に大抜てき。初回2死満塁のピンチを招いた際「“頼む、ここゼロで”って、(手の)第2関節まで汗をかいた」と打ち明けた。北山が走者を背負いながらも2回無失点で流れを呼び込むと先発候補とみられていた加藤、根本、伊藤を惜しみなく投入。さらに「遊び心を持って楽しんで」と26日にオープナーとして先発を託した堀までつぎ込んだ。8回に杉浦、西村がつかまって逆転負けを喫したが、マシンガン継投は当初の計画通り。「(8回途中まで)1―0で面白かったでしょ?」と満足げだった。

 野手陣のスタメンは4回も考え直すほど熟考。最終的に守備を重視した布陣を組んだ。中田(現巨人)、西川(現楽天)、大田(現DeNA)が移籍するなど昨季開幕戦から7人が入れ替わって若返り。初回に千賀が3ボールと苦しむ中で1番・今川が4球目の直球を打ち上げて中飛に倒れたが「まだ若いしガンガンいかないと。それで自信をつけさせてって感じ」と評価する。今後も若いナインの背中を押し、チーム全体を底上げしていく。

 初勝利は逃したが「いつか勝ちますよ。143敗やったらヤバイでしょ?」と悲そう感はない。「新庄劇場」はまだまだ始まったばかり。昨年11月の監督就任時から事あるごとに繰り返してきた言葉は「プロ野球を変える」。たった1試合で、誰もがその言葉を実感した。(東尾 洋樹)

 【新庄監督の常識破り】

 ☆あれ、先発じゃないの? オープン戦で5本塁打、11打点とチーム2冠だった万波をスタメンから外す。

 ☆あ、打っちゃった! 初回無死。3ボールと1球もストライクが入っていない千賀に対し先頭打者の今川がスイング。しかし中飛に終わる。

 ☆サプライズ開幕投手 オープン戦で1度も先発経験のないドラフト8位ルーキー・北山を開幕投手でびっくり起用。

 ☆どんどんつぎ込む 先発ローテーション候補である加藤、根本、さらに先発陣の柱の一人でもある2年目・伊藤をリリーフで投入。

 ☆翌日に投げるのに… 26日の予告先発投手である堀を7回に5番手で救援起用。翌日は午後2時開始のデーゲームでもある。ちなみに過去に予告先発の前日に登板したのは15年9月30日の西武・岡本洋がいる。

 ≪コロナ下3年ぶり観客制限なし開幕≫20年は当初3月20日に開幕が予定されていたがコロナ禍で延期が決定。4月中の開幕を目指したが実現せず、交流戦や球宴を中止した上で約3カ月遅れの6月19日に史上初の無観客で開幕した。21年は3月26日に開幕。2年ぶりの有観客となったが定員の50%などの上限があり、最多はマツダスタジアムの1万6452人。6球場で計7万562人が観戦した。

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2022年3月26日のニュース