福島敦彦氏　力投の金光大阪・古川投手を導いた岸本捕手の巧みな配球

第94回選抜高校野球大会第7日第2試合・2回戦   金光大阪4ー3木更津総合 （ 2022年3月25日    甲子園 ）

＜金光大阪・木更津総合＞6回　2死三塁　先制適時打を放つ金光大阪・岸本　（撮影・成瀬　徹）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】金光大阪勝利の最大の立役者は160球の力投で13回完投した古川投手だが、持ち味を最大限に引き出した捕手・岸本君の存在を忘れてはならない。

　古川君は得意球であるスライダーが生命線だが、局面に応じるとともに相手打者をよく観察して巧みな配球をみせた。4回1死二塁で4番水野君に対しては勝負球であるスライダーを初球に投げさせた（結果は二ゴロ）。続く須永君には初球、バットが出やすい内角高めの真っすぐを要求し詰まらせ遊飛でピンチを脱した。7回2死三塁では芦川君にカウント3―1から高め速球でファウルさせ最後は内角低めのスライダーで空振り三振と高低をうまく使った。要求に応える古川君も、もちろん素晴らしかった。

　岸本君は打撃でも4番として6回に先制適時打を放つなど、まさに中心的存在。次戦以降は、さらにマークが厳しくなることが予想されるだけに、後を打つ打者の奮起が勝敗のポイントになる。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）