元ヤンキースエース・コーン氏観戦記 二刀流の大谷を絶賛「特別で革新的な先駆者」

[ 2021年6月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー3ヤンキース ( 2021年6月28日    ニューヨーク )

大谷を絶賛したデービッド・コーン氏(撮影・杉浦大介通信員)
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 ヤンキースの元エースで通算194勝を挙げ、ニューヨークの地元中継局「YESネットワーク」の解説者を務めるデービッド・コーン氏(58)が、本紙に観戦記を寄せた。二刀流の大谷を「革新的な先駆者」と絶賛。本場ニューヨークで活躍することの重要性も説き、ヤンキースタジアム初登板となる30日(日本時間7月1日)の快投に期待した。

 ファンタスティックだったよ。アメージング、アメージング、アメージング!大谷には恐れおののいている。とても特別な選手で、革新的な先駆者だ。投打の両方をやろうという勇気に刺激を与えられている。

 若い頃は、私も打つのが好きだった。ただ、彼のレベルではなかった(笑い)。高校の時やアマチュアの頃は誰だって打つのが好きだが、それをメジャーでも継続してできるのは大谷のような、一世代に一人の才能を持つ選手だけだ。彼のプレーを見られる私たちは幸運だよ。チームによっては許可しないだろうから、エンゼルスが彼に二刀流をやらせていることをうれしく思う。

 もちろん、ニューヨークで活躍することは重要だ。できればこれからニューヨークで何度も登板もしてほしい。第一印象は大事だから、水曜日の登板は重要だ。ただ、彼は本物であることを証明してきたとも思う。ニューヨークでどんなプレーをしようと、彼の価値が下がるわけではない。それでもニューヨークでのゲームは大事なショーケースイベントであることは確かだ。

 今後、どうなっていくかは私にも分からない。二刀流に反対の人も多かっただろうから、彼がそれに挑めていることがうれしい。私は彼にはそれだけの能力があると信じているから、このまま続けるべきだと思う。誰もやったことがないことに挑んでいるから、挑戦が許されるべきだ。私たちは長期的な視野で物を見ることに集中してしまいがちだが、今を重視することも大切。たとえ長くはできなかったとしても、今を大事にして、他の誰にもできないことに挑むことは素晴らしいことだ。(元ニューヨーク・ヤンキース投手)

 ≪コーン99年史上16人目の完全試合達成≫ニューヨークに本拠を置くヤンキースとメッツの両チームでプレーした選手は過去138人(昨季終了時点)。しかし、両球団で長期にわたって活躍した選手は少ない。その代表格がコーンだ。メ軍では7年間(87~92、03年)で81勝、ヤ軍では6年間(95~00年)で通算64勝をマーク。いわば、ニューヨークでプレーすることの難しさを誰よりも知っている男と言っていい。

 野球人生のハイライトは、ヤ軍時代の99年に達成した史上16人目の完全試合。達成の瞬間、マウンドに両膝をついて喜びを表現したシーンは有名だ。4度の世界一を経験するなど黄金時代のエースで、切れ味鋭いスライダーを武器とした右腕。左打ちの打撃もセンスがあり、89年は打率.234を記録した。

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