エンゼルス・大谷 初NY弾!3年ぶりヤンキースタジアムで26号「しっかり振れた」

[ 2021年6月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー3ヤンキース ( 2021年6月28日    ニューヨーク )

<ヤンキース・エンゼルス>2試合連続本塁打となる先制の26号ソロを放つ大谷(AP)
Photo By AP

 二刀流がニューヨークを驚かせた。エンゼルスの大谷翔平投手(26)が28日(日本時間29日)、ヤンキース戦に「2番・DH」で出場。初回に2戦連発となる先制の26号ソロを放ち、リーグトップのウラジーミル・ゲレロ内野手(22=ブルージェイズ)に並んだ。3年ぶりとなったヤンキースタジアムで初めて本塁打を記録し、他競技のスター選手が観戦に訪れる中で強烈な輝きを放った。

 ヤンキースタジアムのスタンドにはそうそうたる顔触れが並んでいた。ヤ軍OBで大谷を「地球上で最高の選手」とMVPに推す通算251勝のCCサバシアやサッカーのコロンビア代表MFハメス・ロドリゲス(エバートン)。NBAのスーパースターで「別の種類の生き物」と絶賛するケビン・デュラント(ネッツ)も一塁側ネット裏最前列にいた。

 3年ぶりにヤンキースタジアムに登場した二刀流はいきなり驚かせた。初回、先発右腕キングのカーブを振り抜き、弾丸ライナーで右翼席に叩き込んだ。「いい打席にしたいなと思った。しっかり振れて結果も良くて良かった」。2戦連発でリーグトップに並ぶ先制の26号ソロ。それも、打球速度は本塁打では自己最速で球団最速となる117・2マイル(約188・6キロ)を計測した。
 驚がくの一発に、プロボウルに5度、最優秀守備選手に3度選ばれているNFLのスター、J・J・ワット(カージナルス)も「大谷翔平、MVP」と自身のツイッターに投稿。「most valuable(最も価値がある)を定義している」などとつづった。

 メジャー1年目だった18年は打席に入る際にヤ軍ファンから大ブーイングを浴びた。メジャー移籍時にヤ軍を選ばなかったからだ。移籍先の候補から外れた際にも地元紙「デーリー・ニュース」は「チキン」の見出しで「大都市でのプレーを恐れた」とののしった。しかし、この日は違った。打席に入るたびにスマートフォンのカメラを向けられ、本塁打を放った際には大きなどよめきが起きた。

 地元中継局「YESネットワーク」で実況した名物アナウンサーのマイケル・ケイ氏は「今ではみんなが彼の才能に感謝している。だからブーイングしなかったのだろう」とファンの気持ちを代弁した。自己最多の月間本塁打を11に伸ばし、シーズン54本塁打ペース。投手としても3勝を挙げ、全米に旋風を巻き起こす二刀流に畏敬の念が集まっている。

 2連勝に導いた大谷は「(ヤンキースタジアムは地区が異なるため)何回も来ることはないけど、数少ない打席で結果が出たのは良かったかな」と振り返った。そのヒーローインタビューをヤ軍ファンも見届けていた。(笹田 幸嗣通信員)

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月30日のニュース