「4番サンズ」「6番大山」阪神・矢野監督 ノムさん流采配ズバリ「これからも教えをしっかり伝えたい」

[ 2021年6月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-3ヤクルト ( 2021年6月29日    甲子園 )

<神・ヤ(10)>2回2死、佐藤輝の適時打で生還したマルテ(右)を迎える矢野監督(中央)(撮影・坂田 高浩)
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 後ろに迫ってきた巨人に、これ以上の接近は許さない。シーズンは、まだ折り返し地点にも来ていないが何度かあるヤマ場の一つとみた阪神・矢野監督は、大山を4番から6番に降格させサンズを今季初めて4番に据えた。

 「毎日、オレらは結果と戦っているし、そこは無視できるところではない。ジェリー(サンズ)が打ってくれたのはプラスだし、大山がどう感じているかも、勝つことでまたプラスに持っていける部分もある」

 結果的に、打順の入れ替えが奏功した。2回の7連打による5得点はサンズが適時打でつないだ一方で、大山は最初の最後ともに凡退し一人で2死を数えた。大山が4番なら5点はなかったかもしれない。

 昨季最終戦以来の4番に入ったサンズはしっかりと期待に応えた。2回2死一、二塁で田口のスライダーを中前にはじき返す適時打で4点目を奪った。

 「自分としては何番とか考えずに、塁に出たチームメートを還すことだけ考えていた。あれだけみんなが打ってくれたし、流れを止めたくなかった」

 1600票あまりの差でファン投票での球宴出場を逃した悔しさをぶつけ、得点圏打率も・351とし勝負強さを改めて証明した。

 この日は99年から3年間、阪神監督として指導を受けた恩師である野村克也氏の追悼試合。その一戦で一つの大きな決断をし、そして勝利した。

 「野村監督に出会ってなかったら、こうして監督をやることはなかったと思う。これからも教えをしっかり伝えたい」。オフに最高の報告をするために、戦い続ける。(鈴木 光)

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2021年6月30日のニュース