中学硬式野球「奈良FOD」ポニー 呼吸極める「鬼滅野球」で全国星狙う 潜在能力引き出す独自練習

[ 2021年1月26日 08:00 ]

独自の練習法で注目を集める奈良FODナイン

 中学硬式野球の「月刊ポニーリーグ1月号」は注目チームとして「奈良FOD」を特集する。加盟1年目となった昨季は全国大会「グランドチャンピオンシップトーナメント」に出場。ストローを用いた呼吸など、特色ある独自の取り組みを紹介する。

 全ての始まりは呼吸にある――。あえてトレンドに乗っかるのであれば、まさに「鬼滅野球」。斬新な練習方法で注目を集めているのが、奈良FODだ。14年の創設時からチームを率いる堀泰人監督が導入の意図を端的に明かした。

 堀監督 「ベースになる動きをつくるためにやっています。体の中から動きやすくしていく。たとえば呼吸が深くなると、体の力み、緊張が取れていく。さまざまな利点があります」

 練習メニューは呼吸からスタートする。選手全員が円になって正座。季節によってストローを使い分けながら、各20秒×3のメニューを4パターン行う(別表参照)。正しい呼吸を繰り返すことで、横隔膜から骨盤底筋群までのインナーユニットが正常に機能。体幹強化をもたらし、ジャンプ力をはじめとするパフォーマンス向上につながっていく。

 堀監督 「取り入れているメニューは偏り、ねじれを元に戻すためにあります。鍛えて、筋力をつける外側のトレーニングが主流ですが、内側から体をつくることに主眼を置いています。体のつながりが良くなれば、いずれは思い通りに体を動かせるようになっていく。故障予防の観点からも、これらは必要だと感じています」

 呼吸を終えてからも、ブリッジ、開脚前転、倒立、三点倒立、バーを用いての体操など、一般的な野球の練習メニューには含まれないものが延々と続く。投手陣の投げ込みなども皆無だが、肩の可動域や胸郭の広がりが大きくなることで球速は自然とアップ。正しい走り方についても熱心に取り組んでおり、接地時間を短く、足を前に出す走法をマスターできる卒団時には、大半の選手が50メートル走で6秒台前半を計測する。

 堀監督 「子供たちが純粋に好きな野球と向き合える環境がポニーにはあります。連盟の方々の子供たちへの関わり方もすごく温かい。球数制限など選手を守るルールもしっかりと作られており、加盟させていただき本当に良かったと思います」

 そんなチームにとって、大きな分岐点となったのが昨年の新規加盟だった。無所属の当時には目指せなかった「全国大会」が、選手たちにとっての大きな目標となった。7月の全日本選手権関西地区予選では1勝3敗の4位に低迷したが、8月の「グランド―」同予選では3勝2敗で3位入賞。主体的な取り組みを見せるようになった選手たちの急成長で、夢の舞台をつかむまでになった。

 堀監督 「子供たちには“再び全国へ”という思いがあります。そこを目指して、頑張っていきます」

 今春の選抜大会出場を逃した悔しさを胸に、選手は冬の厳しい練習に取り組む。独自のアプローチこそ、FODナインにとっての大きな武器。「鬼滅野球」を極めれば、ヒット量産は間違いない。

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