プロ野球 来日遅れる助っ人 各球団への影響の大きさは?西武、DeNAは全員メド立たず

[ 2021年1月26日 09:00 ]

入団会見に臨み、ガッツポーズする広島・クロン
Photo By 代表撮影

 2月1日のプロ野球キャンプインまで、1週間を切った。例年なら「来日ラッシュ」の時期だが、新型コロナウイルスの感染拡大により、政府が外国人の新規入国を一時停止。多くの選手の来日やビザ取得の手続きが遅れ、調整への影響が懸念されている。スポニチ本紙の12球団担当記者が、チームへの影響を分析した。

 昨年末に外国人の新規入国が停止され、7日に政府が緊急事態宣言を発令した。スポーツ選手への特例も停止。新外国人、ビザの更新が必要な2年目以降の選手も同様だ。キャンプに合流できるかどうかが、チーム状況を左右する懸念もある。

 20日の12球団監督会議では、楽天の石井一久監督兼GMが「決まったことには従いますが全体的にフェアな条件ではないと感じる」と問題提起した。ビザの発給手続き再開は、宣言が解除される2月7日以降で数日を要する。来日後2週間の待機期間も含め、チーム合流は早くても2月下旬。3・26の開幕に間に合うかも微妙だ。

 新加入の内野手エチェバリアの合流を待つロッテの井口監督は「来日がいつになるか。一番の心配」と話している。DeNAと西武に関しては、外国人全選手の来日が未定。一方で、中日のビシエド、ロッテのレアード、巨人のウィーラーら、既に来日した選手もいる。新外国人では広島のクロンが今月3日に来日して既に合同練習に参加。調整の度合いに差が生まれている。

 ソフトバンクの永井智浩編成育成本部長は「何かルールを決めないと不公平感が出てくる」、石井監督は「ガイドラインなどをつくってもらえれば」と訴える。ルールや出場制限を設けることが難しい状況で、現場はキャンプイン後も対応に苦慮しそうだ。

 【各球団の状況、担当記者分析】

 <巨人 新加入2人来月下旬合流>メジャー通算196本塁打のスモークと同96発のテームズの新加入2人は、2月下旬に合流の見通し。ただ、原監督は現状では「早ければ2月の終わりぐらいには全ての人間が合流するのでは」と開幕戦から起用する構想を示している。ウィーラー、サンチェスら昨年から在籍する4人は東京ドームで2月1日にキャンプイン予定。(巨人担当・神田 佑)

 <阪神 6選手がNPBを経験>8選手のうち6選手は既に来日。ロッテから移籍したチェンは一番乗りで入国した一方で、日本球界1年目のロハス、アルカンタラの来日は未定で今キャンプ参加は厳しい情勢だ。球団は「(昨季までNPB在籍の6選手は)日本でも実績があるのであまり心配はしていない」と強調。昨季と同様に球団最多の助っ人数は強みだ。(阪神担当・山本 浩之)

 <中日 日本経験4選手不安なし>マイナー通算91本塁打のガーバー、リリーフで期待されるロサリオの新助っ人は来日未定。しかし来日6年目のビシエドはすでに来日しており、キューバ国内リーグ参加中のR・マルティネス、ロドリゲス、A・マルティネスも来日後の隔離期間はあるが、状態面での心配はない。日本での実績がある4選手の現状に不安は少ない。(中日担当・徳原 麗奈)

 <DeNA ロメロの穴埋めれらるか>全10選手がキャンプインに間に合わない状況。三浦監督は「シーズン開幕に間に合うかも不透明」と話している。野手では4年目のソト、2年目のオースティンの主軸2人、投手陣では左の中継ぎの柱であるエスコバーの調整遅れが懸念される。先発候補として獲得した新外国人ロメロの穴を、どう埋めるかも課題となる。 (DeNA担当・大木 穂高)

 <広島 クロンは新助っ人異例の来日>喫緊の課題である投手力不足の解消を目指して補強したネバラスカス、バードの来日が不透明。一方で野手はクロンが新助っ人では異例となる1月中の来日が実現して自主トレ中。4番候補がキャンプインに間に合ったのは大きい。守護神フランスアがドミニカ共和国で新型コロナに感染し、来日が遅れたのは懸念材料としてある。(広島担当・河合 洋介)

 <ヤクルト 主砲候補2人が来日未定>高津監督が「2人で50、60発」と期待する新外国人野手のオスナとサンタナの来日が未定。得点力低下が懸念される。一方、投手陣は新加入の先発候補サイスニードが来日未定だが、先発陣の一角を担うスアレスと2年連続50試合登板のマクガフはキャンプ初日から合流見込み。ともに来日3年目の2投手の存在は心強い。(ヤクルト担当・青森 正宣)

 <ソフトバンク 助っ人不在でも層は厚い> 7人の来日が未定だが不安はない。昨季に最優秀中継ぎタイトルを獲得したモイネロ、勝負強い打撃が魅力のグラシアルらは母国キューバの国内リーグに参戦中。実戦で体を仕上げてから合流できる。また、助っ人不在でも選手層の厚さは12球団随一。栗原、周東ら勢いある若手と競争を繰り広げる。(ソフトバンク担当・井上 満夫)

 <ロッテ 遊撃の連係は不安も>支配下で唯一の新外国人エチェバリアは遊撃手として期待されるだけに、キャンプで連係プレーを確認したかった。ただ、マーティンが同じキューバ人だけに、チームになじみやすい環境は整っている。レアードはすでに来日しており、第2クールから合流予定。マーティン、ハーマンは日本で経験豊富なだけに大きな心配はない。(ロッテ担当・横市 勇)

 <西武 全5選手来日未定でキャンプ免除>5選手とも来日未定で既にキャンプ免除を通達された。新加入の左腕ダーモディは日本野球への適応が懸念される。一塁が本職のメヒアは、同じポジションの山川もB班(2軍)スタート。内外野をこなすスパンジェンバーグもおらず、紅白戦は日本人選手が本職以外の守備位置に就くことや人数合わせでスタッフが入る可能性も。(西武担当・花里 雄太)

 <楽天 若手台頭を促す好機に>リリーフ左腕不足を解消するために獲得したコンリー、得点力アップの鍵を握るディクソンとカスティーヨの来日遅れは誤算だった。一方、既存戦力の選手層は決して薄いわけではない。新助っ人に頼らずとも布陣を整えることは可能。若手の台頭を促す好機でもあり、新外国人の合流後はチーム内の競争の活性化が期待される。(楽天担当・重光 晋太郎)

 <日本ハム 影響が大きい先発陣>影響が大きいのが先発陣。昨季チーム最多タイ8勝のバーヘイゲン、メジャー通算13勝の左腕アーリン(前ブレーブス)、先発、中継ぎ兼任のB・ロドリゲスが不在なら台所事情は苦しい。野手でも19年にメジャーでシーズン14本塁打したR・ロドリゲス(前ブルワーズ)は、合流が遅れれば日本野球への適応が不安視される。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

 <オリックス 不安要素は復帰のロメロ>不安要素は古巣復帰のロメロ。来日未定で、得点力不足解消へ期待が懸かる主軸候補だけに、状態が懸念される。一方、今月3日に来日したモヤは自主トレを再開し調整順調。自宅待機中のジョーンズとヒギンスは2月1日から稼働でき、舞洲残留のC班スタートが濃厚だが、キャンプ中盤にも宮崎入りし本隊に合流する算段だ。(オリックス担当・湯沢 涼)

 ≪Jも新規外国人入国停止、徳島監督不在で始動≫Jリーグの新規外国人監督、選手らの入国停止はスポーツ庁からJリーグを通じ、各クラブへ通達されている。徳島ではスペイン人のダニエル・ポヤトス新監督が来日できず、18日には監督不在のまま、チームが始動。また鹿島のブラジル人MFカイキ、C大阪のオーストラリア代表FWタガートら新助っ人勢も足止め状態だ。今季のJ1開幕は2月26日。2月7日に緊急事態宣言が解かれても来日後の自主隔離措置などを考慮すれば開幕への影響は免れそうにない。

続きを表示

「始球式」特集記事

「田中将大」特集記事

2021年1月26日のニュース