“これぞ4番だ”阪神・サンズ 球団新助っ人20年ぶり3連発 打点もリーグトップ岡本を猛追

[ 2020年9月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-3ヤクルト ( 2020年9月2日    甲子園 )

<神・ヤ(14)> 7回無死一塁、同点2ランを放ちナインとハッピーハンズを決めるサンズ(撮影・大森 寛明)
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 阪神は2日のヤクルト戦で延長10回の末に敗れ、4連勝と今季最多の貯金3を逃した。悔しい敗戦にあってジェリー・サンズ外野手(32)が7回に放った3試合連続の同点14号2ランが光った。試練の13連戦はまだ2試合を終えたばかり。好調の助っ人4番を押し立て、7・5ゲーム差へ開いた首位・巨人を追いたい。

 立ちこめていた重苦しい空気を一撃で振り払った。2点劣勢の7回に同点に追いつくアーチを描いたのは、今や“不動の4番”と化しつつあるサンズだった。
 
「山中投手にずっと良いピッチングをされていた中で、糸井さんが出塁してくれたから還したいと思っていた」
 
 先頭で中前打した糸井を一塁に置き、カウント3―1から外角にきたスライダーを完璧に仕留めた。来日初サヨナラ弾を放った前夜のVTRのように同じ左中間へ着弾した。並んでいた大山を置き去り、チーム単独トップに躍り出る14号2ラン。3試合連続で“ハッピーハンズ”をさく裂させた。
 
 「珍しく甘く入ったボールを、一発で仕留めることができて良かったよ」
 
 チーム全体として今季初顔合わせだった山中に思わぬ苦戦を強いられていた。右下手から繰り出す最速125キロの直球とシンカー、球速の違う2種類のスライダーを丁寧に低めに集める投球の前に狙い球を絞りきれず、6回までわずか2安打。サンズも4回1死一、二塁の好機で初球の103キロスライダーを仕留め損ねて二飛に倒れていた。
 
 次の打席で同じ球種を仕留められる所がいかにも頼もしい。変則右腕も苦にしない非凡な対応力、そして、相変わらずの勝負強さを矢野監督も称賛した。
 
 「打っている中身というか、ここで打ってほしいというところで打ってくれているスゴさもある。もちろん、対応というところと、自分の形を変えない部分もあるし、また駆け引きも。チャンスに強いというのは一つのことだけではそういうことにはならない。いろんな部分が優れている」
 
 自己最長の4試合連続打点で45打点まで積み上げ、リーグ1位の岡本まで「5」と迫った。先月20日の巨人戦から4番に座り、まだ12試合目ながら存在感は絶大。前夜に続いてチームの全打点をたたき出した。巨人からは7・5ゲーム差へ後退。4日から始まる直接対決4連戦を前に、これ以上離されるわけにはいかない。 (阪井 日向)

 《肩書付きはリーグ最多》サンズ(神)が7回に3試合連発となる14号同点2ラン。阪神の外国人選手による3戦連発は、15年に来日2年目だったゴメス以来で、新外国人では00年のタラスコ以来20年ぶり。肩書付きの殊勲本塁打はリーグ最多の8本目(2位は巨人・丸の7本)で、このうち半分の4本は4番に昇格した8月20日からの12試合で放つ勝負強さを見せている。

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