阪神・ガルシア “敬意”で球児登場曲使用 「球児さんの思いを背負って」6回2失点

[ 2020年9月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-3ヤクルト ( 2020年9月2日    甲子園 )

<神・ヤ(14)>引退を発表した藤川の登場曲で初回のマウンドに上がるガルシア(撮影・北條 貴史)
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 プレーボール直前。捕手の坂本を最後に野手8人がそれぞれの守備位置に散り、あとは先発投手の登場を待つだけだった。あのメロディーが甲子園に流れた。

 リンドバーグの「every little thing every precious thing」。引退を決めた藤川が長きにわたって使ってきた登場曲だ。ガルシアがリクエストした。感謝と敬意を込め、マウンドに向かった。

 「今日は球児さんの登場曲を使わせてもらって、球児さんの思いを背負ってマウンドに上がったよ」

 だからこそ、絶対に勝ちたかった。だからこそ苦境に耐え、必死に粘った。2回に塩見の内野ゴロの間に先制され、3回は木浪の失策から失点。先頭打者のエスコバーに安打を許した4回を無失点で切り抜け、5、6回はいずれも3者凡退に抑えた。加入2年目で一緒に過ごした月日は浅くても、たとえ国籍が違っても、胸に抱いた熱い魂は同じだ。

 「先制はされてしまったけど、粘りのピッチングはできたと思う」

 107球を投げ、6回の打席で代打を送られて交代。サンズの同点弾で黒星は消えた。3勝目はならなくても、体の近くを通る適度な荒れ球で的を絞らせず、力強いボールで押し込むストロングポイントをいかんなく発揮した。4試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を達成。中日時代の18年に先発で13勝した片りんを少しずつ見せ始めている。(巻木 周平)

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