丸 満月弾!巨人 今季最多貯金16で6日にもマジック「44」点灯

[ 2020年9月3日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―1DeNA ( 2020年9月2日    東京D )

2回1死、丸は先制ソロホームランを放ち、ナインの出迎えを受ける(撮影・森沢裕)
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 上空に迎えた満月が雲の隙間から顔をのぞかせる。欠けるところない円い月が東京ドームを照らす。球場内では、その名から満月を連想させる丸が巨人打線を輝かせた。

 2回の14号ソロを回想する。試合の序盤ながら、攻撃前には全員がベンチ前で「円」を組んだ。初回3者凡退に抑えられた浜口にどう向かうか。「初回テンポよくきていた。相手のテンポに仕切り負けしないように早め早めの準備をしよう」

 直後に月に届いてしまうかのような高い弾道の本塁打が生まれる。「ムーンショット」だ。直球だった初球、2球目のボール球を見送る。3球目は約20キロも遅い、浮いたチェンジアップをかち上げた。始動は早かったが、右足で踏ん張りを利かせて球に一気に力をぶつける。だから、打球は高々と上がった。先制の右中間ソロだ。

 「タイミングを遅らせてというより早めに取った中でセンター方向に打っていく」。こう解説した打撃が「一丸」を呼び、同回一挙3得点。4連勝で今季最多の貯金を16に伸ばした。早ければ6日にも優勝マジック「44」が点灯する。

 移籍1年目だった昨年の日本シリーズでは、ソフトバンクに4連敗。自身にとっては広島時代から4年連続で日本一を逃した。丸は泣いた。東京ドームから自宅に向かう車の中で、涙が止めどなく流れ出たという。「こんなに泣くことはなかった」と、球団首脳に悔しさを明かしている。

 3回の右前打も初球を叩いた。今季は一時低迷して打順を定位置の3番から6番に下げたが、8月14日に5番に入ると同打順で打率・436、5本塁打、12打点。好調の要因は、まさにこの日の一撃に見られる。始動を早め、呼び込んだ球に対して自身のスイングをしているからだ。

 「ここ最近はワンスイング目で前にちゃんとした打球を飛ばせている」。ベンチに戻ると、両手を頭の上で掲げるポーズで迎えられた。それも満月のように丸かった。 (神田 佑)

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2020年9月3日のニュース