楽天・池田駿 移籍初勝利 記念のボールは「ずっと朝から夜までご飯を作って待ってくれている妻に」

[ 2020年9月3日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5―3日本ハム ( 2020年9月2日    札幌D )

ウィニングボールを手に指で1勝ポーズをする楽天・池田(撮影・高橋茂夫)
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 楽天ベンチに「池田に白星を!」という声が響いた。0―3の9回の攻撃。1死から連打で猛反撃している最中だった。声の主は、この試合で先発した涌井だ。同点、そして逆転。直前の8回に4番手で登板した池田駿は、こんな展開で自分に勝ち星がつくとは想像もしていなかった。

 3点ビハインドの8回1死一、二塁の場面で、マウンドに送り込まれた。平沼に低め145キロのシュートを引っかけさせて二ゴロ併殺。移籍を機に磨いている球種でピンチを抑えた。前夜は2安打1失点。1死も奪えず降板となり、試合後には「牧田さんに精神的なもの、小山コーチにマウンドでの考え方を教えてもらった」。すぐに訪れたリベンジの場。4球で火消しに成功し、敗色濃厚だった試合の潮目を変えた。

 6月25日、巨人から楽天へのトレードが決まった。交換相手のウィーラーの年俸2億円に対して、池田駿は1450万円。「格差トレード」として注目を集めた。移籍後初登板だった7月17日の西武戦は2回5安打4失点。2度の出場選手登録抹消を経て、先月26日に1軍に戻ってきた。8試合目でつかんだ新天地での1勝。ウイニングボールを握りしめながら「1、2軍を行き来して大変な生活の中、ずっと朝から夜までご飯を作って待ってくれている妻に渡したい」と笑った。

 一生忘れることができない劇的な勝利を「驚きでいっぱいです」と振り返った。諦めなければ、最後まで何が起きるか分からない。それは野球も人生も同じ。2年ぶりの白星が再確認させてくれた。 (重光 晋太郎)

 ◆池田 駿(いけだ・しゅん)1992年(平4)11月29日生まれ、新潟県出雲崎町出身の27歳。新潟明訓ではエースとして3年夏の甲子園8強。専大からヤマハを経て、16年ドラフト4位で巨人入団。18年8月4日の中日戦で中継ぎとしてプロ初勝利。今季6月25日にウィーラーとの交換トレードで楽天に移籍した。1メートル74、78キロ。左投げ左打ち。

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