阪神・大山 “森下キラー”示す2発目 「何度も抑えられるワケにはいかない」

[ 2020年8月29日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-4広島 ( 2020年8月28日    マツダスタジアム )

<広・神(12)>7回表無死、大山は左中間ソロホームランを放つ(撮影・椎名 航)
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 阪神は28日の広島戦に3―4のサヨナラで敗れ、4連勝を逃して借金生活へ逆戻りした。悔しい敗戦にあって光明は大山悠輔内野手(25)だ。過去3戦3勝を許すなど天敵化しつつある森下から7回に通算2発目となる13号。9回には同点につながる右前打で3度目の猛打賞を決め、再上昇の兆しを見せた。

 いてもたってもいられなかった。「何度も同じ投手に抑えられるワケにはいかない」。森下に過去3戦3勝を許す苦戦。4度目の対戦も6回まで4安打1点にとどまっていた。これ以上の屈辱は許されない。大山は主軸としての責任感をフルスイングに込めた。
 
 「打ったのはカットボール。西さんが粘って投げてくれている。打てて良かった」

 先頭打者として迎えた7回の第3打席。1ボールからのカウント球を一振りで仕留めた。低めの変化球をすくい上げた打球は左中間席に着弾。1点差に詰め寄る一撃は22日のヤクルト戦以来5試合23打席ぶりで、チーム単独トップの13号ソロだ。

 7月23日の対戦に続き森下から放った2発目の本塁打。他に森下に一発を浴びせた打者はリーグ全体でも存在しない。誰もが打ちあぐねる新人右腕の「キラー」になりつつあるのだ。5回の左前打を含めて、この試合で一人だけマルチ安打を記録した。今後も対戦が見込まれるだけに、苦手意識を植え付けられている意味は大きい。

 1点を追う9回無死一塁では守護神フランスアから右前打を放ち、同点劇の一翼を担った。3安打猛打賞は9日の広島戦以来16試合ぶり3度目だ。先の中日3連戦は11打数2安打2打点の小休止。復調を期した広島遠征初日は試合前練習で矢野監督から指導を受け、本領発揮のきっかけになり得る結果につなげた。

 その指揮官からは「いいつなぎだったり、ホームランが出てきているので」と評価された上で「悠輔にはやっぱり試合を決めるというね。もちろんつなぐ場面もあるし、いろいろ状況はあるけど、チームを引っ張るような選手になっていってもらえたら」とさらなる期待を寄せられた。

 13本塁打のうち7本塁打は広島戦で放ったモノだ。さらにマツダスタジアムでの打撃成績は23打数11安打の打率・478と球場別ダントツ。エースの大瀬良と対戦する2戦目で、サヨナラ負けの悔しさを吹き飛ばしてほしい。(巻木 周平)

 【過去3度の阪神VS森下】
 ▽7月23日(●2―4、甲子園) 初対戦で大山が初回に先制2ランを放って先手を奪いながら、2回以降は無得点。6回に藤浪がピレラに逆転満塁弾を浴び、森下には6回120球で10三振を奪われた。
 ▽8月7日(●6―11、マツダスタジアム) 2回で0―6。5回に中谷、近本の連続適時打で2点差に迫り、なお2死一、三塁で大山が空振り三振。6回108球で4失点だった森下に本拠地初勝利を献上した。
 ▽8月14日(●0―6、京セラドーム) 5回2死で梅野が中前打するまで一人も走者を出せず、9回の近本の中前打と合わせて今季最少2安打。9回127球で12三振を奪われ、森下にプロ初完封を許した。

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