マリナーズ・菊池「今年一番」で今季初勝利

[ 2020年8月29日 02:30 ]

インターリーグ   マリナーズ8―3パドレス ( 2020年8月27日    サンディエゴ )

パドレス戦に先発したマリナーズ菊池(AP)
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 5度目の正直だ。マリナーズの菊池雄星投手(29)が27日(日本時間28日)、敵地サンディエゴでパドレスとのダブルヘッダー第2試合に先発し、5回7安打3失点で今季初勝利を挙げた。

 「5試合かかってしまったけどホッとしている。直球は今年一番良かった」と語る通り、最速98マイル(約158キロ)と球威抜群。高速スライダーは95マイル(約153キロ)も計測した。相手はメジャー屈指の強力打線。6―3の5回無死一塁では今季早くもMVP候補に挙がるタティスを右飛、主砲マチャドを三ゴロ併殺に仕留めた。

 開幕から直球は常時95マイル(約153キロ)を超え、平均93マイル(約150キロ)の高速スライダーで9回当たりの奪三振は9・5を記録しながら初勝利までは5試合を要した。この日も初回に浴びたマチャドの本塁打に始まり、許した長打3本はいずれも2ストライクと追い込んでから。より勝てる投手になるために「追い込んでからの投球はひとつのテーマになる」と表情を引き締めた。

 警察官による黒人男性銃撃事件を受け、前日の試合が延期されてダブルヘッダーに。菊池は「米国に住まないとわからないこと」と話した上で「ミーティングでは涙する選手もいた」と明かした。マ軍には全球団で最多11人のアフリカ系米国人が在籍。仲間の思いを背負い、左腕を振った。

 昨季のメジャー初勝利は6戦目で亡き父に贈った。今季も白星まで足踏みし「一番最初の勝ちは難しい」とし「昨年、悔しい思い(6勝11敗)をしているのは僕だけじゃない。特に家族、息子はまだ分かっていないと思いますけど横で悔しい思いをした」。瑠美夫人と1歳の息子にささげる今季初勝利となった。(笹田幸嗣通信員)

 《平野もきっちり》平野が今季初の日本投手リレーで締めた。菊池が先発したダブルヘッダー第2試合で4点差の最終7回に登板。1イニングを無失点に抑えた。菊池は「ロックダウン中、一緒にトレーニングしてきたので、ぐっとくるものがあった」と語った。
 

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2020年8月29日のニュース