ヤクルト 元阪神・歳内獲得へ!四国IL香川で5勝3完封と“復活” 防御率12球団ワースト投手陣再建へ

[ 2020年8月29日 05:32 ]

<四国アイランドリーグ>香川オリーブガイナーズの歳内投手(球団フェイスブックから)

 ヤクルトが、四国アイランドリーグplusの香川に所属する歳内宏明投手(27)を獲得する方針を固めたことが28日、分かった。歳内は度重なる故障により昨季限りで阪神を戦力外となったが、今季は香川で圧倒的な成績を残していた。ヤクルトはチーム防御率が12球団ワーストの4・85。巻き返しには投手陣の再建が急務となっていた。

 最下位に低迷するヤクルトが緊急補強に乗り出した。関係者によると、歳内は近日中にメディカルチェックを受ける予定。そこで問題がなければ、契約となる運びだ。

 歳内は福島・聖光学院時代に夏の甲子園に2度出場し、11年ドラフトで阪神から2位指名を受けて入団。鋭く落ちるスプリットを武器に、15年には29試合登板で1勝1敗、防御率2・62と活躍した。しかし、近年は右肩痛に悩まされ、16年を最後に1軍登板はなかった。昨年10月に戦力外通告を受けた際には「1年間投げられなかったけど、最後まで待ってくれた。(右肩は)普通に投げられる状態」と話していた。

 NPB復帰を目指し、昨年12月に元ソフトバンクの松中信彦氏がGM兼総監督を務める四国アイランドリーグplusの香川と契約。今季は9試合登板で3完封を含む5勝0敗、防御率0・42と格の違いを見せていた。右肩の状態も良好で、計64回で76奪三振。SNSなどでは圧倒的な成績から「歳内無双」などと話題になり、複数のNPB球団が視察に訪れていた。

 その中で早くから興味を示していたのが、先発陣の駒不足が顕著なヤクルト。先発陣の防御率は4・87で、計算できるのは、無安打無得点試合を含む今季6勝をマークしている小川しかいない。先発の不調が救援陣への負担を増やす悪循環に陥っており、高津監督も「チームとして考えないといけない。これではリリーフが持たない」と嘆いていた。

 歳内は香川の入団会見の際に「NPBにアピールして戻るというのが一番」と目標を語った。松中GM兼総監督も全面サポートを約束しており、移籍に支障はない。故障を乗り越え、新天地ヤクルトで再びNPBのマウンドに立つ日は近そうだ。 

 ◆歳内 宏明(さいうち・ひろあき)1993年(平5)7月19日生まれ、兵庫県出身の27歳。聖光学院では2、3年夏の甲子園に出場し、2年夏はベスト8。11年ドラフト2位で阪神入団。3年目の14年7月30日のヤクルト戦で初勝利を挙げた。19年オフに戦力外。通算成績は57試合で2勝4敗、防御率4.15。今季は四国・香川に所属。1メートル84、90キロ。右投げ右打ち。

 ≪コロナで獲得期限延長≫一度ドラフト指名を受け、NPB球団所属経験のある独立リーグ選手は、シーズン中のNPB球団移籍が可能。NPB球団所属経験のない独立リーグ選手は、ドラフト会議で指名されることがNPB入りの条件。今季はコロナ禍の影響で、NPB球団の新戦力獲得期限は7月末から9月30日に延長されている。

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