広島・誠也 五輪イヤー吉兆だ!20年“初球”を特大バックスクリーン弾

[ 2020年2月15日 05:30 ]

練習試合   広島5―4ロッテ ( 2020年2月14日    コザしんきん )

<広・ロ>2回、中越えに先制ソロ本塁打を放つ広島の鈴木(撮影・北條 貴史)
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 「初」づくしの一撃だ。広島の主砲・鈴木誠也外野手(25)が14日、今春初の対外試合となるロッテとの練習試合(コザしんきん)で、初打席の初球をバックスクリーン左へチーム1号の特大弾。V奪回を目指す今季、さらには金メダルを誓う東京五輪へ、侍ジャパン4番筆頭候補の歩みは順調だ。

 驚異的、の形容にふさわしい弾道だった。センターからホーム方向への風が吹き付けるコザしんきんスタジアム。鈴木誠の放ったライナー性の打球が、逆風を切り裂いて中堅122メートルのバックスクリーン左へ吸い込まれると、スタンドからはどよめきが起きた。

 「シートでも紅白戦でも速い球を捉えられていなかったので、積極的に振って行こうと思っていた。結果は本塁打になったけど、初球から自分のスイングで合わせられたのが良かったと思います」

 4番・右翼で先発出場。2回の先頭打者で、ロッテ・唐川の甘い137キロのカットボールを見逃さず、フルスイングで捉えた。今春初の対外試合で、初打席の初球にチーム1号となる先制弾。対外試合の初戦では3年連続アーチとなった。

 試合前の打撃練習でも5連発を含め、柵越えを量産。「ボールが飛ぶんじゃないですか? 僕は何も変えていないので」と笑うが、左腕・チェンと対戦した4回の2打席目も、やや差し込まれながら逆風を突いて中堅右への大飛球だ。飛距離は明らかに伸びている。

 順調な今春。自分の今をつぶさに把握し、計算ずくでステップを踏む。それが25歳のスタイルだ。宮崎・日南の1次キャンプでは投球を見ることに主眼を置き、10日の紅白戦では快音なし。実戦モードに突入した沖縄では調整のギアを上げた。

 「見るという段階は日南で終わり。もう相手との勝負なので、自分のスイングをどんどんやって、課題と向き合いたい。試合で振らないと、自分の状態がわからないので」

 東京五輪に臨む侍ジャパンの4番最有力候補。9日には稲葉篤紀監督(47)がキャンプ地を訪問し、広島のスラッガーを「4番に……という理想は当然ある」と明言。鈴木誠自身も「いい打者がたくさんいる中で、結果的に4番を打たせてもらえたらありがたい」と意欲を燃やした。

 盛夏のひのき舞台でも期待膨らむ春の特大弾。若き主砲の歩みを遮るものは何もない。
(江尾 卓也)

 ▼ロッテ・唐川(2回に鈴木誠に一発を浴び)カットボールがうまく投げられず、失投だった。その前の攻撃で連続三振でチャンスがつぶれて、次の回は先頭打者が大事だったのに、不用意でした。

 ≪3年連続チーム初対外試合で本塁打≫鈴木誠(広)は3年連続でキャンプのチーム初対外試合で本塁打をマーク。全てコザしんきんでの練習試合で、18年は2月18日の中日戦。4回に代打で初球を左翼へのソロ。19年は2月18日の韓国・K1A戦。「4番・右翼」で先発して初回、2ボール2ストライクから右翼へ3ラン。3本とも対外試合初打席弾だ。

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