ソフトB・上林「見返す」開幕スタメンへ闘志!覚悟の年「去年みたいな成績だったら、自分からやめようと」

[ 2020年2月15日 05:30 ]

バットを手に鋭い視線を送る上林(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 3年ぶりのリーグ制覇と日本一4連覇を狙うソフトバンク。宮崎キャンプは第3クールが終了した。奮闘する選手の素顔に迫る「休日インタビュー」の第3回は、上林誠知外野手(24)。2018年に自身初の全試合出場を果たしたが、昨年は右手の故障に苦しみ99試合の出場に終わった。7年目を迎える今季。15日からの第4クールを前に、巻き返しのシーズンへの思いを聞いた。

 ――キャンプは第3クールが終わった。ここまでを振り返って。

 「やりたいことができている。ただ、練習と実戦の感覚の違いがあるのを感じる。練習では良くできているが、意識するところによって体の使い方が変わってくる。(13日の)紅白戦では手を意識し過ぎて前に突っ込んでしまった。手打ちになるというか、割れがなかったかなと」

 ――例年と比べ調整具合は?

 「たくさん試すことはいいと思うけど、結果が求められる立場。バッティングで意識しているのはバットを(体の)近い所から出して、小さく早く回ること。ティー打撃では一番意識できていて、いい感じで打てている」

 ――昨年は右手の故障もあって99試合の出場。オフはどんな思いで過ごしたか?

 「すぐに切り替えられた。やってやるぞという気持ちでやっていたし、トレーニングに集中していた」

 ――体脂肪を減らしてキャンプインした。

 「体が軽いし、ランニングしていても疲れない。よく動けていると思う。(体重、体脂肪は)ちょっと落としすぎたので、戻している感じですね。体調はいい感じですね。(右手は)気にしないようにしているし、去年よりも振れている。(治療は)今はやっていない」

 ――バレンティンが加入し外野の定位置争いは厳しい。

 「周りは気にしていない。とにかく自分ですね。タイプが違うので、同じようなアピールではなくて、別の形になってくる。自分の場合はスピードを出せるように。塁に出ないと盗塁もできないので打たないといけないですけど。走らなきゃいけない選手なので。走れる選手はチームに少ないですし(周東)佑京ばかりに頼ってもよくない。先発で出ている人が走らないと、より得点を取ることができない」

 ――今季、成し遂げたいことは?

 「成し遂げるというか、見返す、ですね。正直、誰も開幕スタメンの予想に自分の名前を挙げる人はいないと思うので、そういう人たちをいい意味で見返したいと思っている。“こいつが出ないとダメだろう”と思ってもらえるような選手になりたい」

 ――自分自身に期待することは?

 「去年と同じように終わるのか、そうでなく終わるのか。2年連続で悪かったことがないですし、今年も去年みたいな成績だったら、自分からやめようと思っている。それくらいの気持ちでやりたい。自信は五分五分ですかね」

 ――残りのキャンプ、オープン戦をどう過ごしたいか?

 「オープン戦から開幕する気持ちでいきたい。シーズンは前半戦から飛ばしたい。今年は中断期間もあって、時間が空くので。もちろんオリンピックも出たい気持ちもあるけど、考えないでやりたい。気にしているような立場ではないので。シーズン中はオリンピックの気持ちはゼロでやる。自分にとってはシーズンの方が大事。前半戦次第では(選出が)あるかもしれないし、なかったとしても、飛ばしていきたい。一回、リセットする時間があるので」

 ――今年はどんな一年にしたいか?。

 「今年で25歳になるし、もう全然若手じゃない。後輩も入ってきたし、本当なら25歳ならバリバリやっていないといけない。自分に腹立たしいというか、そういう思いの方が強い。今年で7年目になりますけど、今までやり切ったなと思ったことが一度もない。何かもったいないと思っている。自分が思い描いている数字とはほど遠い。自分の能力も出し切れていないと思っている。持っているものを出して、やり切ったと思えるようなシーズンにしたいですね」

 ◆上林 誠知(うえばやし・せいじ)1995年(平7)8月1日、埼玉県生まれの24歳。仙台育英では通算3度甲子園に出場。13年ドラフト4位でソフトバンクに入団。15年にウエスタン・リーグで首位打者(打率・334)を獲得。同年に1軍デビュー。17年に初めて規定打席に到達し、侍ジャパンに初選出される。1メートル85、91キロ、右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2020年2月15日のニュース