侍・稲葉監督 足のスペシャリスト・周東が「ジョーカー」 1点欲しい勝負どころで起用

[ 2019年10月28日 05:30 ]

巨人との日本シリーズでも、周東の俊足が脅威となった 
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 スーパージョーカーだ。「プレミア12」に出場する侍ジャパンは27日、宮崎から2次合宿地の沖縄へ移動。日本シリーズに出場したソフトバンク、巨人の12選手も合流し、全28選手が集合した。稲葉篤紀監督(47)は周東佑京外野手(23=ソフトバンク)を代走の切り札に指名し、1点を争う勝負どころで起用する考え。日本シリーズで原巨人をかく乱した俊足の使いどころを探る。

 切り札の使いどころを思案する稲葉監督は、時に笑みをたたえながらあらゆる場面を想定していた。足のスペシャリストとして選出した周東。「本当にジョーカー的にではないが、流れを考えて出す。今はここで1点欲しいところで出す考え。どこででも、どの選手にも代走で出せるという考えでいる」と飛び道具を投入する。

 今季25盗塁の俊足を「警戒されている中でもスチールできる」と評価する。足も備えた選手が多いが、勝負どころでは4番・鈴木や吉田正ら主軸であろうと、カードを切る。7回以降の終盤、使いどころを見極める。

 代表経験は昨年のU23W杯しかないが、秘密兵器や隠し玉という表現はふさわしくない。「相手に日本シリーズの映像も入っている。周東の存在は当然分かっている」。隠すことなくその破壊力を存分に幅広く生かす。「相手バッテリーに揺さぶりをかけるところもある」。塁上に送っただけで相手バッテリーは警戒し、直球中心の配球に偏る。日本シリーズでも4連敗した巨人にその傾向がみられ、周東の足に屈した。

 1点を争う接戦が多い国際大会は足が侍ジャパンを救ってきた。06年第1回WBC決勝・キューバ戦の川崎(ソフトバンク)、13年第3回WBC2次ラウンド・台湾戦の鳥谷(阪神)。稲葉監督初陣の17年アジアチャンピオンシップ初戦・韓国戦も延長10回の西川(広島)の二盗がサヨナラ勝ちを呼んだ。

 周東は福岡から沖縄入りし、チームに合流。「捕手も肩が強い選手が多いと思う」と海外フル代表を相手に気を引き締めた。沖縄での3日間の全体練習と強化試合・カナダ2連戦。「スーパージョーカー」の取扱説明書をチーム全体で共有していく。 (後藤 茂樹)

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