阪神・近本、岡田超え新人112安打 1番復帰で決勝8号「最高の結果」

[ 2019年8月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―1広島 ( 2019年8月3日    マツダ )

3回無死、近本は右越えに勝ち越しソロを放つ(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 やっぱり1番が似合う。阪神・近本光司外野手(24)が3日の広島戦で2試合ぶりに「1番・中堅」へ戻り、同点の3回に決勝8号を右翼ポール際へ打ち込んだ。8回には右翼線二塁打で貴重な追加点を呼ぶなど猛打賞は2桁10度目。112安打は球団新人では岡田彰布を抜いて歴代単独8位に躍り出た。

 やっぱり猛虎の1番は近本だ。同点の3回。先頭で打席に入り、2ボールから床田の甘く入った直球を捉えた。打球は高く上がって右翼ポール際へ。走らずに行方を目で追った。「切れるか、分からなかったので見とこうと思った」。塁審の手が回ったのを見届けてから駆けた。7月21日ヤクルト戦以来、49打席ぶりの8号が千金の決勝弾になった。

 「自分の中では出塁を考えていたので、結果から見れば、最高の結果になりました」

 4回以降、両軍無得点のつばぜり合いを動かしたのも近本だ。8回先頭で遠藤のチェンジアップを強く叩き、高く跳ねたゴロが一塁手バティスタの頭上を越えて右翼線へ。二塁打で開いた突破口は無死満塁まで広がり、福留の一ゴロ失策で3点目の本塁を踏んだ。

 9回の左前打を合わせて猛打賞はついに2桁10度目。セ・リーグ新人では98年の高橋由伸らに並ぶ12人目の快挙だ。112安打は球団新人では80年の岡田彰布を上回る歴代単独8位。前夜は2番で2安打しても、やはり1番がよく似合う。

 活躍を支えるのは日頃からの体調管理だ。食欲が減りやすい夏場。自宅ではアスリートフードマイスターの資格を持つ未夢夫人の手料理ともに毎食、白飯の量を計って食べる工夫もしている。その甲斐もあって入団当時72キロの体重を開幕から4カ月が過ぎても一度も減らすことなく維持。小兵でも球団新人では16年の高山に並ぶ歴代5位の8本塁打へ積み上げた強打の源だ。

 6試合連続安打へ伸ばし、直近5試合では20打数12安打で打率・600。急上昇の猛打に矢野監督は目を細める。「内容も良くなってきている。近本がホームランっていうのは、もちろんうれしいけど、数多く塁に出るってことが相手にとっても嫌なこと。そういう状態に上がってきた」。シーズン160安打ペースは、58年の長嶋茂雄のセ・リーグ新人最多153安打を上回る。どこまで伸ばすのか。気温の上昇とともに近本の勢いが一気に加速してきた。 (長谷川 凡記)

続きを表示

2019年8月4日のニュース