【DeNA・石川 思い語る】苦難の時代乗り越え…「人に恵まれて」1000安打到達 1年でも長く野球を

[ 2019年8月4日 23:15 ]

<D・巨>試合後、通算1000安打達成の石川はファンの声援に応える(撮影・島崎忠彦)
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 DeNAの石川雄洋内野手(33)が4日、巨人戦(横浜)で史上301人目の通算1000安打を達成した。チーム一筋15年目、日本人野手最年長のベテランが、節目の記録到達までの思い、これからの目標などをスポニチアネックス読者に向けて語った。

 1000安打、打てました。実は、あまり意識はしていませんでした。2年くらい前から、いつクビになってもおかしくないと思っていたから。無理かなって思ったこともあったけど、そんな危機を乗り越えて到達できました。周りの方には期待してもらっていたので、両親や、使ってもらった歴代の監督、コーチやスタッフの皆さんに感謝です。僕は本当に人に恵まれました。

 1軍初安打は右打席でした。スイッチに挑戦したけど、全然打てない。それなら左打席で左投手を打てるように練習をしようと思って、スイッチは1年くらいで辞めて左に専念しました。入団して4年目くらいまではきつかった思い出ばかり。特に1、2年目はファームの試合も行かずにひたすら練習。打撃はひとりで1時間半~2時間くらい打った。残留の野手は僕1人なのに、コーチが3人とかいるんですよ。“あれ、もしかしてファームの試合もまともに出られずにクビになっちゃう”ってよく思っていました。横浜高時代より練習して毎日死にかけていたけど、絶対に1軍で活躍するって強く思ってやっていた。いろいろ試せたり、練習する体力もついた。今思えば、あのときがあったから今があると言えるかな。本当にあのときは、死にかけていましたけどね。

 そして今、15年目になりました。ずっと思っていたのは、人として変わらないようにすること。人間ってたくさんお金を稼いだら変わっちゃう気がして。プロ野球の世界に入っても、そういうのはないようにしていました。親友にも“調子に乗っていたら言ってね”っていつも言っていて、今も言われていない。今のところ変わっていないと思います。

 昔と比べて、球場の雰囲気が変わりました。毎日満員で、お客さんがたくさん入っている中で野球ができるのはやはり幸せなこと。勝つって良いなって実感します。チームでは日本人野手最年長ですけど、その役割は特にないかな。聞かれたら答えますけど。でもファーム生活が長くなってから、若い子とコミュニケーションを取れるようになった。これまで苦手だったし、若い子も僕のこと怖いと思っていたっぽいけど…。そういう面で、ファームにいたことも自分としてはいい経験になりました。

 試合の中では、チームプレーは得意な方。小技とかエンドラン、バントだったりはしっかりやるように心掛けています。走塁も得意だと思っています。本塁打、安打を打てるのが一番良いけど、細かいこともできればと思うし、自分の長所だと思うので貢献していきたいです。

 一つの目標をクリアして、次の目標を考えたけどないんですよね。33歳で1000本だし、現状で1500安打とか2000安打とか言えないし。まず1010安打かなあ。まあでも、同世代の人でクビになる人も増えて、そういう人たちにも“1年でも長く野球を続けた方がいいよ”言われている。ここからは1年でも長く野球をやりたいってことかな。そうしたら安打も打てるし、試合に出られる確率も高くなる。ケガをせず、感謝も気持ちを忘れないで、これからも頑張ります。そしてもちろん、優勝を目指して頑張っていきたいと思います。(横浜DeNAベイスターズ内野手)

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