大谷のメジャー移籍に影響?新ポスティングシステム交渉長期化必至

[ 2017年5月9日 05:30 ]

日本ハムの大谷
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 日本野球機構(NPB)の実行委員会が8日、都内で行われ、ポスティングシステムについて大リーグ機構(MLB)から改正へ向けた協議の申し入れがあったことが12球団に報告された。今後、具体的な改正案を話し合うが、譲渡金の上限2000万ドル(約22億4000万円)からの減額要求の可能性も含めて交渉の難航は必至。現行制度が成立した13年と同様に年末にまでずれ込めば、日本ハム・大谷翔平投手(22)の今オフのメジャー移籍に大きな影響を及ぼす。

 日本球界が、4年前と同じ事態に陥る可能性が出てきた。13年はヤンキースに移籍した田中(当時楽天)、そして今年は日本ハム・大谷が翻ろうされてしまうのか。現行のポスティングシステムについて、MLB側から改正へ向けた協議の申し入れが届いたのは4月下旬。実行委員会での報告を終えた井原敦事務局長は「(日米間選手契約に関する協定の)15条に基づいて通告があった」と話した。しかし、現段階では相手側の意向が伝えられただけで、具体的な改正案はまだ提示されていないという。

 現制度は13年12月に発効。上限がなかった入札金は、譲渡金として最大2000万ドルに抑えられた。NPB側は「現行からどう変わるのか。その案を確認しないと何も言えない」(井原事務局長)と、MLBがどんな改正案を要求してくるのかを待つ方針だ。その上で対応を協議するが、焦点は相手側がどう出てくるのか。最近の米球界の流れを見ても、譲渡金のさらなる減額を求められる公算が極めて大きい。

 MLBでは昨年12月、海外選手との総契約金を最大575万ドル(約6億4400万円)に規定し、適用年齢を23歳未満から25歳未満に引き上げた。移籍資金などの高騰を抑制するのが最大の狙いで、ポスティングシステムにおける譲渡金も同じ意味合いを持っている。ただ、前回同様の「不利益変更」となった場合、12球団の総意として簡単に意見を集約できるかという問題も出てくる。そこに選手会の意向やファンの声などが加われば、交渉が長期化することは容易に想像がつく。

 現行のシステムが失効するのは10月31日。井原事務局長は「(13年の)前回の例もあるので」と期限を設けず慎重に協議に臨む考えだが、成立がずれ込めばそれだけシステムを利用して米移籍を目指す選手の動向に大きく影響を及ぼすことになる。13年は紆余(うよ)曲折の末、12月に入ってようやく日米で新制度に合意。楽天から海を渡った田中は年明けの14年1月になってヤンキースと契約を交わした。今オフに米移籍の可能性がある大谷も、交渉の進ちょく状況に左右されてしまう可能性がある。

 田中の13年、そして大谷の17年。「大谷システム」とも言える今回の新制度がいつ、どのような形で決着するのか。MLB側の要求案、そして交渉の行方が注目される。 (鈴木 勝巳)

 ▽ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界へ移籍できる制度。日本球団が譲渡金の上限2000万ドルを設定し、その額を支払う意思のある全ての大リーグ球団が選手と交渉できる。13年に発効した現行システムは、昨年5月に新たに1年間延長されていた。現行制度を利用しての米移籍は13年の田中(楽天→ヤンキース)、15年の前田(広島→ドジャース)の2人。

 ◆日米間選手契約に関する協定(15条)契約終了日(17年10月31日)の180日前に、この協定の改正または終了の意思を相手方に通知する権利を有し、かかる通知があった後、すみやかに両者はこの協定の延長または改定について協議を始めるものとする(一部抜粋)。

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