初KOの武田 1球のファウルに心乱れた「狙われている」

[ 2012年10月15日 06:00 ]

<西・ソ>3回途中降板しさえない表情のソフトバンク・武田

パ・リーグCSファーストS第2戦 ソフトバンク0―8西武

(10月14日 西武D)
 1球のファウルに、ソフトバンクの高卒ルーキー武田は心を乱された。初回、先頭の浅村に対し、カウント2ボール2ストライクから外角低めへ決め球の縦スラを投じた。狙い通りのコース。イメージは空振り三振だった。しかし、フェアゾーンには入らなかったが、右翼線へ鋭い打球を飛ばされた。

 「普段なら空振りする球。浅村さんの最初の(打席の)ライナーで狙われていると思った」

 7月にデビューし、8勝1敗、防御率1・07と快進撃を続けてきた19歳。だが、甲子園の経験もない右腕にとって、ポストシーズンの重圧は今まで経験したことがないものだった。「余裕がなくなった」。縦スラが狙われていると考えると、腕が振れなくなった。

 3回1死二塁、その浅村を警戒するあまり、捕逸で三塁進塁を許してしまう。結局、浅村を四球で歩かせ、続く秋山にはスクイズの構えで揺さぶられた上に遊撃前へのボテボテの打球が内野安打となり、先制点を与える。完全に冷静さを欠き、中島に適時二塁打を浴び、中村に四球を出した時点で降板。1軍12試合目にして初のKOに、武田の表情からトレードマークの笑顔が消えた。

 不安要素もあった。長身で上から投げ下ろす武田は、マウンドの傾斜が強い京セラドームでは、9月25日のオリックス戦でプロ初完封を飾っているが、傾斜がなだらかな西武ドームは初めての登板。マウンドの影響については「関係ないです」と首を横に振ったが、本来の角度ある投球は鳴りを潜めた。第2戦に抜てきした高山投手コーチは「重圧をかけすぎた俺の責任」とかばった。

 大役を果たせなかった武田は「申し訳ない」とうなだれた。しかし、この経験は決して無駄にはならない。「次に生かしたい」。19歳の目は死んではいなかった。

 ≪石井以来PS高卒新人先発≫高卒1年目の武田(ソ)がCS初登板初先発。ポストシーズンで高卒新人の先発は92年日本シリーズの石井(ヤ=現西武)以来20年ぶり5人目。プレーオフ、CSでは武田が初めてだ。うち、初登板初先発は53年中村(南海)、66年堀内(巨)、前記石井に次ぐ大抜てきだったが、武田を含め4人連続の黒星デビューになった。

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