あと一人で…多田野 ノーヒットノーランならず!

[ 2009年7月10日 19:36 ]

嬉しい?悔しい?1安打完封で3勝目を挙げ、捕手の大野と喜ぶ日本ハム・多田野

 プロ野球日本ハムの多田野数人投手が10日、札幌ドームで行われたロッテ戦で9回2死まで無安打無得点を続けていたが、大松に安打を許し、ノーヒットノーラン達成はならかった。それでも、1安打でプロ入り初完封。チームの連敗も5で止めた。

 無安打無得点試合まで、あとアウト一つ。日本ハムの多田野が投じた118球目だった。この試合、いくつもの空振りを奪ってきたフォークボール。大松に対し、自信を持って投げた球ははじき返され、ふわりと二塁手の頭を越えて右前へ落ちた。「全力で腕を振ったので、打った打者が上回っていただけ」。後悔など、少しもない。プロ初完封で、チームの連敗を止めた右腕には、充実感だけが漂っていた。

 球速140キロ前後と100キロ台前半。フォークボールに加え、2種類の真っすぐも効果的で、緩急を操った。「緩い真っすぐを多めに投げたので、肩が消耗しなかった」。東京六大学リーグで通算20勝を挙げた立大時代を思い返し「昔のいいときを考えて、そういう球を使った」。完投は大学のとき以来。八回に右脚がつって連続四球を与え、この日初めてピンチを招いたが、最後まで投げきった。「最後の打者を打ち取ったときはうれしかった」と笑顔を見せた。

 5月4日のロッテ戦で打ち込まれ、翌日に2軍落ち。ひたすら走り込み「基本を見つめ直した」という29歳。「自分の特徴をアピールできた。きょうの気持ちを忘れず、また頑張りたい」。米球界を経て日本球界入りした苦労人にとって、忘れられない1日となった。

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2009年7月10日のニュース