名前の由来は石原裕次郎 ノースアジア大明桜の2年生左腕・松橋裕次郎が好投も 

[ 2023年8月13日 08:21 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会   ノースアジア大明桜0―7八戸学院光星 ( 2023年8月12日    甲子園 )

<ノースアジア大明桜・八戸学院光星> 2回、力投するノースアジア大明桜・松橋裕 (撮影・須田 麻祐子) 
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 銀傘に温かな拍手が響いた。マウンドを降りるノースアジア大明桜の背番号18、2年生左腕・松橋裕次郎へのねぎらいだった。秋田大会は2試合で7回の登板にとどまっていたが、甲子園で今夏初先発。4回まで無安打投球も、5回につかまり3失点し「甲子園は楽しかったが、負けてしまって悔しい気持ちしかない。バネにしてやりたい」と唇をかんだ。

 輿石重弘監督から調子のよさを評価され、前日の11日に先発に指名された。試合前はベンチ入りした3年生全員に背中をたたいてもらい「お前は大丈夫や」と気合を注入されてマウンドへ。初回からスライダーで連続三振を奪うなど、直球との2球種で立ち向かった。5回に初安打を許してからピンチを招き、変化球が甘く入ったところを痛打され3失点で降板。「自分のいいところは出し切れた」と手応えもあった。

 春の東北大会準決勝では八戸学院光星に5―8で敗れていた。松橋裕は3番手で登板して2回1失点。「何も通用しないまま終わってしまった」と振り返る。輿石監督から「変化球も真っすぐもセンターラインを意識して腕を振っていこう」と助言され練習から取り組んできた。雪辱は果たせなかったが「春よりは成長できたのかなと思う」と話した。

 勝利を届けたかった。秋田大会期間中の7月中旬。地元は記録的な豪雨に見舞われ、秋田市中心部の住宅街が広範囲にわたって浸水するなど、大きな被害に見舞われた。野球部のグラウンドも豪雨の影響を受け約1週間、思うように練習ができなかった。「苦しんでいる方もたくさんいて、目の前で見てきた。自分のピッチングと明桜の勝ちで地元に元気を与えられたら」と強い思いがあった。勝利にはつながらなかったが「自分たちのプレー、笑顔だったりは貫けた」とやりきった。

 名前の「裕次郎」は銀幕のスター、石原裕次郎が由来。「先輩たちの分も借りを返せるように、またリベンジしたい」。“甲子園のスター”になるチャンスはまだ2度残っている。(杉浦 友樹)

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