ロッテ“珍”サヨナラ 荻野の犠飛に離塁早かった!?西武リクエストも「リプレー映像なし」

[ 2023年8月13日 05:20 ]

パ・リーグ   ロッテ3-2西武 ( 2023年8月12日    ZOZOマリン )

<ロ・西>9回、サヨナラ犠飛を放った荻野(中央)はチームメートから手荒い祝福を受ける(撮影・尾崎 有希)
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 ロッテ・荻野は2度、ウオーターシャワーでびしょ濡れになった。劇的なサヨナラ勝ち、と思いきや西武・松井監督からリクエスト。一塁ベース付近で一度はナインに水をかけられた殊勲の男から笑顔が消える。「2度でおいしい?おいしくないですよ。ドキドキしながら待っていた。アウトなら(延長戦で)着替えないととか考えて…」。4分以上待たされた結果、判定通りにサヨナラ勝ち。今度はベンチ前で氷入りの水を思い切り浴びた。

 巨人、阪神、ソフトバンクと並んで12球団最多となる今季7度目のサヨナラ勝ちは「珍」な幕切れだった。佐藤都の中前適時打で同点に追いつき、なお9回1死二、三塁。荻野は中飛を打ち上げた。「やべえ!岡、頼む!」と願ったという浅い飛球で、三塁走者の岡が本塁付近で西武の捕手・古市と激突しながらホームイン。この中犠飛で「三塁走者の離塁が早いのでは」と西武側がリクエストした。

 検証を終えた責任審判の本田英志球審の場内アナウンスは「リプレー映像がないので判定通り得点とします」。米ニューヨークに検証専用のスタジオを用意している大リーグと違い、日本では中継映像が頼り。「検証不可能」でのサヨナラ劇に、松井監督は「映像がない以上はね。僕らが(離塁が)早いと思って、最後の最後まで可能性探っただけ」。一方の吉井監督は「もしアウトなら延長。冷静に待っていた」と振り返った。

 貴重な白星で首位オリックスとは5・5ゲーム差。お立ち台に上がった荻野は「最初は冷たかったけど、今は温かくなってきて心地いい」と「2度おいしい」満面の笑みだった。(鈴木 勝巳)

 ≪5月混乱で条項追加≫セ、パ両リーグのアグリーメントの条項では、検証のための映像がない場合は審判員の判定を維持し、リクエスト回数にカウントしないとされている。当初は「映像なし」に関する記述がなかったが、5月28日の楽天―日本ハム戦で日本ハム・新庄監督が走者のタッチアップの離塁が早かったとリクエストしたが映像がなく混乱。6月5日のプロ野球実行委員会で映像がない場合の条文を追加し、同日から適用した。

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