「もったいないなと…」音楽が雨の甲子園に起こした奇跡 「音楽が持つ力」中断中の演奏に球場一体で手拍子

[ 2023年8月13日 16:39 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会2回戦   花巻東―クラーク ( 2023年8月13日    甲子園 )

クラークを応援するIPU・環太平洋大学のマーチングバンド部(撮影・柳内 遼平)
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 1―1の8回、クラークの攻撃中に突然、視界を遮るような大雨が降り出した。無死一、二塁の場面で雨が降り出した。7番・安部政信のバントが三塁封殺された直後に雨粒は大きくなり、投手がボールの交換を求めるような状態となった。観客も屋根の下に慌ただしく移動。1死一、二塁の8番・吉田暁登の打席でフルカウントになった場面で、球審はたまらず中断を宣告した。

 両チームがベンチに入り、甲子園に銀傘を強い雨が叩いた。高校通算140本塁打の花巻東・佐々木麟太郎が登場した注目のカードは中断となった。だが、ここで三塁側アルプス席でクラークの系列校・IPU・環太平洋大学マーチングバンド部が突如、演奏を開始。「サウスポー」、「キン肉マン Go Fight!」、「銀河鉄道999」の3曲が演奏された。球場の観客はこれに手拍子、指笛で大歓迎。多くの観客が演奏をスマホで撮影していた。

 マーチングバンド部で、スネアドラムを担当する應武弘規キャプテン(4年)は「雨で試合が中断してしまって、せっかく来ていただいているお客さんに演奏をお届けする立場として“もったいないな”と思いました。監督と一緒に“演奏しようか”と言うふうになりました」と経緯を語った。

 異例の演奏で球場中が熱狂。應武キャプテンは「音楽の力を借りて野球の応援をしているんですけど、今この会場が一体になったのは、やっぱり音楽が持つ力。アクシデントに対して楽しもうという気持ちが要因かと思います」と振り返った。

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