広島の高卒2年目・田村 初の開幕1軍ゲットも「まだスタート地点。ここから頑張らないと」

[ 2023年3月28日 06:00 ]

広島・田村
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 広島期待の若ゴイが高卒2年目にして初の開幕1軍切符をつかんだ。田村俊介外野手(19)で、今春オープン戦は出場14試合で打率・278、1本塁打、4打点。進境著しい打撃が評価され、26日にあったソフトバンクとの最終オープン戦後に、首脳陣から告げられた。次代の中軸候補は「まだスタート地点。ここから頑張らないと」と気合を入れた。

 伸び盛りの若ゴイは初参加した1軍キャンプ完走にとどまらず、目標だった開幕1軍入りさえ決めた。19年の小園以来となる、高卒2年目以内での開幕1軍。前日26日にあった最終ソフトバンク戦後のミーティングで告げられ、田村は素直な思いを口にした。

 「(藤井)ヘッドから“開幕はこのメンバーでいきます”と言われ、うれしかった。いい時も悪い時もあったけど、アピールできたのかなと思います」

 2月の沖縄2次キャンプ。実戦では、1軍投手の直球に差し込まれるシーンが目立っていた。26日の中日戦で放ったオープン戦初安打は変化球を捉えたもの。それがどうだ。3月中旬になると、力のある直球に振り負けなくなった19歳がいた。

 「キャンプからいろいろ新しいことに取り組み、名古屋の前あたりからしっくりくるようになりました。早めにタイミングを取るようにして、今までよりも真っすぐが遅く見えるというか。球に慣れたのもありますけど、そこから少しずつ」

 14日の中日戦で祖父江の外寄り高め147キロを右翼線へ適時二塁打すると、翌15日にも谷元の内角低め144キロを右前適時打。17日のオリックス戦ではコットンの内角直球を右翼席へ運んだ。新井監督は「全てを吸収して日々、成長しているよね」と目を細める。

 オープン戦は出場14試合で18打数5安打、1本塁打、4打点、打率・278。投手が仕上げに入る3月中旬に発した快音に打撃センスが表れる。あまたの先輩野手を押しのけ、自力でつかみ取った開幕1軍。田村は表情を引き締めて言う。

 「開幕1軍は、自分の中でまだスタート地点。気持ちをしっかりリセットし、スタートから結果を出せるように、ここから頑張っていきたいと思います」

 まずは1軍初出場からプロ初安打、初本塁打へ。次代の中軸候補に与えられた時間は、まだたっぷりある。

 ◇田村 俊介(たむら・しゅんすけ)2003年(平15)8月25日生まれ、京都府出身の19歳。愛工大名電では1年春からベンチ入りし、3年夏は甲子園で本塁打を放つも初戦敗退。高校通算32本塁打。21年ドラフト4位で広島入り。1軍出場なし、2軍通算43試合で打率.185。今季オープン戦は14試合で打率.278、1本塁打、4打点。1メートル78、93キロ。左投げ左打ち。

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2023年3月28日のニュース