専大松戸が初8強!1メートル67「小さな巨人」広川 同校甲子園初本塁打

[ 2023年3月28日 05:00 ]

第95回選抜高校野球大会第8日・3回戦   専大松戸6-4高知 ( 2023年3月27日    甲子園 )

<専大松戸・高知>2回、広川は同点本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 3回戦3試合が行われ、専大松戸(千葉)が、6―4で高知に逆転勝利。6番・広川陽大(ひなた=3年)が、同校の甲子園初本塁打となる同点2ランなど2安打3打点で、春夏通じて同校初の8強入りに貢献した。

 左打者には逆風となる浜風も、関係なかった。2点を追う2回1死二塁。6番・広川が内角のスライダーをフルスイングした。金属音を残した白球は、右翼ポール際へ。公式戦初本塁打となる同点2ランは、同校の甲子園初アーチでもあった。

 「感じたことがない気持ちでした。切れると思ったんですけど切れずにそのまま行ってくれた。勝利につながってよかったです」

 専大松戸のベンチ入りメンバーで最も低い身長1メートル67の左打者。好きな言葉は「小さな巨人」だ。8回には1点を勝ち越した後、貴重な追加点となる左前適時打を放ち2安打3打点。「体が大きな人には負けたくない」と信条のフルスイングで、同校の甲子園同一大会初の2勝と、初の8強入りへ導いた。

 指揮官にとっても初体験となった。茨城の竜ケ崎一、藤代、常総学院の全てを甲子園出場に導いた74歳の名将・持丸修一監督にとっても、初めての同一大会での甲子園2勝。初戦の常葉大菊川(静岡)戦で7番だった広川を、相手先発右腕の西村真人(3年)と「一番合っていると思って」と6番で起用した。本塁打の打席直前の「内角のボールを逃さずに打て。狙っていいよ」の助言もピタリ。広川も「素直にうれしい。2勝をプレゼントできたのでよかった」と指揮官の期待に応え胸を張った。

 竜ケ崎一時代の90年に甲子園初出場を果たしてから33年。初物尽くしの勝利に指揮官は「想定外の点数が入りました」と驚きを隠さず「自分にはどうでもいいんですけど、子供たちにとってベスト8は物凄く励みになった」と目を細めた。

 あす29日の準々決勝は、ドラフト上位候補のスラッガー真鍋慧(けいた=3年)を擁する広陵(広島)と対戦。持丸監督は「子供たちも私も知らない世界なんで、この後対策を立てないと」と快進撃の継続へ気持ちを切り替えた。(柳内 遼平)

 ≪52年ぶり高知勢撃破≫専大松戸が高知に勝利。千葉勢の選抜での高知勢との対戦は、53年の銚子商○3―0●土佐、71年の木更津中央○4―0●高知、85年の東海大浦安●1―5○伊野商、18年の中央学院●5―7○明徳義塾以来5度目で勝利は71年の木更津中央以来52年ぶりとなった。夏は6度の対戦で、千葉勢が3連勝中の4勝2敗。また、千葉勢は春夏通算145勝目となった。

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