【スポニチスカウト部(8)】三菱重工East・津田 取り戻した積極性 高い身体能力も武器

[ 2023年3月28日 06:00 ]

高い身体能力と勝負強い打撃を武器にプロ入りを目指す三菱重工Eastの津田

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第8回は三菱重工Eastの津田啓史内野手(20)。将来性豊かな3拍子そろった遊撃手が、ドラフト解禁となる高卒3年目でのプロ入りを誓った。 ドラフト速報

 プロ入りのため、結果を求めて迎えた3年目。津田はもがき苦しんでいた。打撃の調子が全く上がらず、打順が定位置の1番からまさかの9番へ降格。「これがラストチャンスだと思っていた」。背水の陣で挑んだスポニチ大会で、ようやく復調のきっかけをつかみ、勝負の一年が幕を開けた。

 「公式戦ということで気持ちを切り替えられたのが良かった」
 オープン戦では結果が出ないことでマイナス思考にもなり、余計に空回りしていた。だが、スポニチ大会では初球から積極的に振ることを意識。リーグ戦2戦目の第1打席で、2死満塁から走者一掃の三塁打を放ち「やっと一本出て吹っ切れた」と、ようやく笑みがこぼれた。

 絶対に負けたくないライバルの存在も大きい。「仲はむちゃくちゃ良いが一番のライバルだと思っている」と語るのが、横浜時代のチームメートでENEOSの外野手・度会隆輝。度会は昨季、都市対抗優勝に導き、橋戸賞(MVP)を受賞。今秋のドラフトの目玉にも挙がっており、津田は「今はどこも勝てていないが、いつかは度会を超える選手になる」と燃えている。

 目標は同じ熊本出身で、史上最年少3冠王を獲得した村上宗隆(ヤクルト)。村上が3学年年上で、同じ長嶺中のOBだが「いつかは同じ所に立てれば」とする。まだ粗削りな部分は多いが、体の強さと身体能力の高さから将来性は十分。「足の速さや勝負強い打撃が持ち味なのでもっともっと出していければ」。出遅れた分はここから巻き 返す。(村井 樹)

 ☆球歴 水俣第一小2年時に野球を始め、横浜では1年春からベンチ入り。甲子園は2度経験し高校通算20本塁打。昨年は1番に定着して日本選手権4強入りに貢献した。憧れの選手はヤクルト・村上宗隆。

 ≪3年計画の最終年「まずは日本一を」≫三菱重工Eastが発足したのは津田が入部した21年。横浜、名古屋、神戸・高砂、広島の4チームが「三菱重工East」と「同West」の2チームに再編された。津田も日本一へ向け3年計画を掲げた初年度に加わり「初年度メンバーという思いも強く、このメンバーで日本一になりたい」と話した。そして3年目。「日本一を獲ることを念頭に置いてやってきた。まずはチームの日本一に貢献して、そこ(プロ)にもたどり着ければ」と、改めて今年に懸ける思いを力強く語った。

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